調査立会

佐藤綜合会計事務所は東京国税局出身の税務調査を知り尽くした税理士が担当しております。税務調査に入られても問題のないように日頃から適切な会計税務指導をさせていただきますが、万一のときにはお客さまの代わりに税務当局に対して適切な対応をいたします。

税務調査とは

日本の税制は、納税者自身が管轄の税務署に対し、毎年度末に税務申告を行う「申告納税制度」が採用されています。
自己申告である以上、意図しない誤りや不当に納税を免れるための脱税が行われる恐れがあり、適正かつ公平な課税を実現するために対応するために税務調査が実施されます。
法人では、概ね3~8年の間に調査が入るといわれますが、企業規模・業種・業績推移・前回調査時の状況などを総合的に勘案して対象会社は選定されます。
一般的に税務調査の入りやすい業種としては、国税庁の公表資料によると、不正発見割合の高い10業種があげられています。

不正発見割合でみると、バー・クラブは、不正発見割合が57%と過半数を超える状況です。認定される不正行為の多くは、所得隠し(売上の簿外計上)やホステス等の源泉徴収漏れです。同種を営む事業者においては、売上金の管理方法や従業員に対する給与の支払いといった重点項目から、誤りを防ぐ社内の仕組み作りを行うことが重要です。
次に1件あたりの脱税額でみると、パチンコは、1件あたりの不正金額が57百万円にものぼり、2位以下を大きく引き離す結果となっています。
過去パチンコ業界は、大手を中心に悪徳税理士と組んで組織再編スキームを利用した巨額な租税回避が横行しました(2012年ガイア40億円の所得隠し、ベガスガス150億円の所得隠し)。現在も違法すれすれな節税スキームを実行する会社があり、1件あたりの金額が多額となっているものと推察されます。

<現物出資と連結納税制度を悪用したスキーム>
多くのケースで利用されたスキームは、現物出資と連結納税制度を悪用した脱税スキームです。キャッシュアウトを伴わない現物出資を利用することで、次々に赤字法人を企業グループに取り込み、取り込んだ赤字子会社の損失を、親会社の所得と相殺することで、企業グループ全体で大規模な所得の圧縮を行っていました。
組織再編税制は、本来企業の国際競争力を高める目的で、資産移転や株式譲渡を非課税にする税制上の優遇措置を認める制度です。同趣旨に反して節税効果のみを享受するために行われる「行き過ぎた節税」に対し、国税当局は厳しい姿勢で対応する方針を打ち出しています。

税務当局の役割

税務調査を行う場合、実施主体は、国税局と税務署とに分かれます。国税局は、国税庁の指導監督を受け、管轄区域内の税務署の指導監督を行うとともに、大規模法人等について、自らも賦課徴収を行う行政機関です。一方税務署は、国税庁や国税局の指導監督の下に、国税の賦課徴収を行う第一線の執行機関であり、納税者と最も密接なつながりを持つ行政機関です。
税務調査との関係では、国税局は、主に資本金1億円以上の大規模法人やグローバル企業を対象に税務調査を実施します。専門的で内容も高度な案件が多く、したがって調査期間も長引きます。国税局内では、「調査部」は大規模法人などに対する調査を行い、「査察部」は脱税者に対して刑事責任を追及するための調査を行うといったように、専門性に応じた部署を設けています。
一方税務署は、一般納税者の税務相談、申告書等の受理などを中心にした税務サービスの提供がメインの業務です。税務調査を行う場合、個人や中小企業に対する調査が中心であり、調査期間も概ね3日程度で終了します。
なお、国税庁は、国税局及び税務署の上位組織として、税務行政の執行に関する企画・立案等を行い、国税局と税務署の事務を指導監督しています。
一口に税務調査といっても、調査期間や確認する内容の深度も大きく異なることに注意が必要です。

統計情報

平成26年度における法人税の申告件数は2,794千件です。その申告所得金額は58兆4,433億円、申告税額の総額は11兆1,694億円にのぼり、申告所得金額の総額は、過去最高を記録しています。
ただし黒字申告の割合は、全体の30.6%に過ぎません。中小企業の多くは厳しい経済情勢の中、事業をやりくりしているのが現状です。
法人税の実地調査は、95千件で、うち70千円で非違が認められ、うち不正として19件があげられています。金額ベースでは、申告漏れ所得金額は8,232億円にのぼり、追徴税額は1,707億円でした。
企業規模で分析すると、連結法人においては、不正発見割合が41.8%にも及びます。国税局の調査が及ぶ大規模法人は、調査期間が長く、人数等調査にかけるリソースも大きいため、課税に至るケースが多い結果となっています。
<法人税の実地調査の状況>

調査スケジュール

事前通知
納税者に対し、実地の調査を行う場合には、あらかじめ、納税者及び税務代理人に対して、以下の内容を通知します。
・調査開始日時
・調査開始場所
・調査の目的
・調査対象税目
・調査対象期間
・調査対象となる帳簿書類その他の物件
・調査対象となる納税者の氏名、住所
・調査担当者の氏名所属官署
調査日時について、以前は当局側の都合優先で、調査日時が決められる傾向がありました。
しかし現在では、ある程度納税者の都合に配慮した日時の決定がなされます。
もちろん「今期は忙しいから来期にしてくれ」といった合理性のない主張についてまで通るわけではありませんのでご注意ください。
調査開始場所について、通常は納税地を調査開始の場所として調査が行われます。一方で納税地と主たる事業所が異なっているような場合には、主たる事業所での調査が行われる場合もあります。

調査実施
一般的な税務署による調査は3日程度です。納税者は、事前に必要となる対象年度の試算表や総勘定元帳といった必要資料を提出し、調査期間に調査対応を行います。なお主な提出資料は以下のとおりです。
・総勘定元帳
・売上計上、仕入計上にかかる一連の証憑(見積書、契約書、請求書)
・通帳
・領収証、請求書綴り
・源泉徴収簿
・消費税科目別明細書
・固定資産台帳
・株主総会議事録
・組織図
・従業員一覧
通常初日の午前中は、企業の沿革、代表者の略歴、株主構成、事業内容、主要な内部統制といった概要をつかむためのインタビューが行われます。経営者の誠実性や人柄も見られますから、変に気がまえたり、威圧的な態度で応対するのはマイナスです。普段通りにコミュニケーションをとることが重要です。
概要のインタビューが終わると、具体的な調査に移ります。基本的には帳簿と確証(契約書や請求書や通帳など)との突合せを行い、必要に応じて調査官が質問を実施し、その日の最後に簡単な総評を行います。
その日に回答できなかった宿題については、翌日ないしは対応に時間がかかるものは、調査対象期間後に必要な資料などを添付し回答します。必ずその場で全て回答できなければ問題になるわけではありません。
なお、税理士には調査に立会いする権利が認められています。納税者のみや立会い経験に乏しい税理士が対応を行った結果、意図しない多額の追徴を指摘されるケースがあります。一度検討した内容を差し戻すことは、納税者のみならず当局にとっても好ましいものではありません。
少しでも懸念がある事項については、税理士と相談し内容をよく整理した上で回答することが重要です。課税当局も出来るだけ追徴税額が最大になるように誘導してくるケースがあります。
特に条文に明文化されていないグレーゾーンの判断については、交渉の余地がありますから、数多くの事例にあたっている経験豊富な税理士にご依頼されることをおすすめします。

調査結果通知
調査が終了すると調査結果が課税当局より送付されます。ここで注意すべき点は、この調査結果の内容は、課税当局の処理方針が確定した後に送られるものである点です。
したがってこの通知を受けてから、調査官に対して再度交渉する機会は基本的に与えられていません。もし修正申告に応じずに反証を行いたい場合は、後述の不服申し立て制度を利用するほかありません。
<通知内容>
・調査の結果修正事項がない場合にはその旨を書面で通知する。
・修正事項がある場合にはその内容を説明する。
・修正事項がある場合には修正申告の勧奨をすることができる。
・修正申告の場合には不服申し立てができないこと等を説明する。