税理士が仮想通貨を徹底解説します。確定申告対応!!

2017年最も注目を集めた投資キーワードは「仮想通貨」だったかと思います。
実際にわたしの事務所にも何人かご相談にいらっしゃいましたし、大手新聞社からの取材も受けました。

ビットコインに代表される仮想通貨ですが、実際に2017年に時価総額が大きく増加しています。
下図はUSD建てのビットコインの時価総額の年間推移です。

出典:Bitcoin info

とにかくかくにも異常な上昇ですね笑

2016年より前にビットコインを多く保有していた人たちの含み益は相当なものであり、ビットコインで一儲けした方々を“億り人”なんていったりするそうです。

2017年すなわち平成29年度の確定申告は、法整備もできていない中で多数の儲かった人がいるというまれにみるカオスな状況を迎えています。

次は何を買っちゃおうかしらん♪儲かりすぎちゃってどうしましょ♪

上のような問題発言?はさておき(笑)、私自身も少なからず関係しており確定申告どうしようかなー?と悶々としていました。

体系的な情報を誰かまとめてくれないかと切に願っていたのですが(呆)、ブログ執筆時点(2018年1月16日)で断片的な解説にとどまるものが多く、腹を決めてこのたび発信することにしました。

最初にお断りしておきますが、以下の内容についてはあくまで一般的なケースを想定した当事務所の見解です。個別事情によっては判断が変わることもあります。

ご利用にあたっては自己の責任においてご判断いただき、不明な個所はお問い合わせフォームをご利用いただくか、最寄りの税務署に照会を行っていただくことをおすすめします。

仮想通貨ってそもそも何?←そもそもから知りたい人向け。

そもそも仮想通貨って何なの?という方もいらっしゃるかと思います。ブロックチェーンなだなんだと謎の用語も多いことですし、この際簡単にまとめてみました。

もう知ってるわい!」という方は、目次ページから必要なリンクに飛んでください。

仮想通貨のはじまり

仮想通貨は、2008年にナカモトサトシと名乗る人物がインターネット上にビットコインについての論文を発表したことからはじまったと言われています。

ナカモトサトシが誰なのかについては諸説あり、日本人なのかどうかも分かっていません。2009年にはビットコインのソフトウェアをネット上に発表し、ビットコインの最初の採掘及び運用が開始されました。

参考:ナカモトサトシと疑われた人物

  • Vili Lehdonvirta|フィンランドの経済学者
  • 望月新一|日本の数学者← ABC予想を証明した数学者
  • Nick Szabo|ビットゴールドの論文筆者
  • Craig Steven Wright|オーストラリアの起業家

ビットコインでのはじめての商取引は、2010年5月にアメリカのフロリダで成立したと言われています。

フロリダ在住のプログラマーが、インターネット上のオンラインフォーラムでビットコイン10,000枚と宅配ピザを交換してほしいと呼びかけたことがきっかけです。

「ピザ2枚と交換する」と応じたピザ屋が現れたため、取引が成立しました。

当時のビットコイン(BTC)の値段は10,000枚で約3,000円程度。
現在の価値に直すと、2018年1月現在で1ビットコインあたり約130万円ですから、10,000ビットコインは約130億円程度の価値になります。

仮想通貨の普及

ビットコインはその後世界中のプログラマーにより改良が加えられ、今では当初のものから90%以上その形を変えています。ブロックチェーンやFintecなどの用語も最近では耳慣れるまでに普及してきました。

仮想通貨の普及のプロセスについて、2017年初頭までのイベントごとに追ってみてみましょう。


出典:JPBITCOIN.COMより一部加工。もっと詳しく知りたい方はリンクから同サイトへ飛んでください。

★1 2010.7/ビットコイン取引所Mt.Goxがサービスを開始。

世界最大のビットコイン取引所へと成長していくMt.Goxは、Jed McCalebにより2010年にスタートしました。Mt.Gox社は取引全体の7割を占めていましたが、その後2014年に500億円近いビットコインを消失し経営破綻に至りました。

★2 2011.4/TIME誌でビットコイン特集。人気の口火を切る。

ビットコインの名が広く世に普及していくきっかけとなりました。ビットコインが大手メディアではじめて取り上げられた事例です。

★3 2013.10/オンライン闇市場のシルクロード運営者が逮捕。

アメリカで違法薬物の取引を行っていた闇サイトのシルクロードの運営者がFBIにより逮捕され、サイトが閉鎖されました。彼らは仮想通貨取引を通じて大規模なマネーロンダリングを行っていたことで知られています。

皮肉にも彼らの手口が明らかになることで、仮想通貨が決済手段として利用できる利便性がクローズアップされました。

既存通貨にはない「クロスボーダーで、瞬時に、手数料を取られることなく、送金できる」仕組みの発見は、仮想通貨の価値を大きく高めることに貢献しました。

★4 2014.2/中国政府が金融機関によるビットコイン取引を禁止。

仮想通貨の決済手段としての利便性に目をつけたのが中国の富裕層です。何かと送金規制や外貨規制にうるさい中国当局の目をかいくぐって仮想通貨を媒介にして米ドルやユーロに換えるといった取引が横行しました。

結果として中国政府は公式に金融機関によるビットコイン取引の取り締まりに動き出し、ビットコインの価格は急落することになりました。

★5 2014.2/Mt.Goxが閉鎖。

ビットコインについて冬の時代が続きます。世界最大の取引所であるMt.Goxが破綻したことで、価値が一時的に暴落しました。
日本ではメディアに大きく取り上げられ、「ビットコインは終わった」「仮想通貨はあやしい」というイメージが世間に定着することになりました。

★6 2014.5/bitFlyerがサービス開始。

今でこそ有名な取引所の一つのbitFlyerがサービスを開始したのはこの時期です。後に取引所、決済サービス、ブロックエクスプローラー等様々なビットコイン関連サービスをリリースすることになります。

★7 2015.10/欧州司法裁判所がビットコインはVATの課税対象外との判決を下す。

欧州司法裁判所によりビットコインの売買に関するVAT(付加価値税, 消費税)は非課税であるという判決が下されました。このニュースをきっかけとして大きく価格が上昇することとなりました。

これは仮想通貨が単なる「モノ」ではなく、硬貨や法定通貨、紙幣のような支払手段として定義された画期的な裁決です。法的側面からの仮想通貨の整理が進むきっかけとなりました。

★8 2016.3/DMM.comでビットコイン決済を受付開始。

日本国内での大企業のビットコイン決済受付の最初の事例とされます。ちなみにビットコインでの送金に関しては、トランザクションに、1〜6のConfirmationsがあり、確認作業が多いほど(6に近い回数ほど)確実性の高い取引になります。

★9 2017.4/ビットコインを初めて法律内で規定する改正資金決済法等が施行。

日本で2017年が仮想通貨元年といわれる所以です。資金決済法の改正により仮想通貨が支払の手段として位置づけられました。

また税法上の取り扱いについて不透明な状況にありましたが、消費税法上の取り扱いは7月に「非課税」とされ、所得税法上の取り扱いは12月に「仮想通貨に関する所得の計算方法について」が公表されるに至りました。

仮想通貨の特長

「仮想通貨が普及してきていることはわかったけど、そもそも今の通貨と比べて便利なところって何なのよ?いまいちよくその点がよくわからんのよね」という方多いと思います。

そこでこれから簡単に現在の通貨と比較していきます。

仮想通貨が優れているといっても貨幣自体は紀元前の時代からあったものです。

これにクロスボーダーに世界が広がるインターネットの仕組みとクラウドセキュリティの応用によって、現行の通貨の欠点を補完していると考えた方が自然かもしれません。

出典:マウリヤ朝の銀貨

デジタル通貨

仮想通貨は、アナログな現金とは異なります。デジタル上の通貨であり、特定の国に属さず、世界中の国で利用が可能です。誰かが一元的に管理するものではなく、世界中の人々で運用される点を指して、「分散型通貨」と呼ばれたりもします。
デジタル通貨でありますが、実態を可視化するために「ウォレット」と呼ばれるバーチャルな財布を利用し、スマホやパソコンから自由に使うことができます。仮想通貨自体はクラウド上に保管されていますから、万が一スマホを紛失するなどの場合にも、スマホデータを削除するなどにより、仮想通貨自体は保全されます。

国際通貨

各国通貨は、その発行権限は所属する国に委ねられており、外貨との取引を行う際には、トランザクションごとに、その時々の景気などを反映した為替相場の変動リスクに晒され、また多額の事務手数料も負担します。一方仮想通貨は、特定の国や中央銀行にあたる組織が発行する通貨ではありません。世界中のどこでも同じように使うことができる点に国際通貨と言われる所以があります。

オープンな運用

「特定の国や中央銀行が管理していないのであれば、どこが管理しているの?」という疑問が生じたかもしれません。仮想通貨の仕組みはネットワークに参加している人たちが管理します。すなわち世界中のいたるところで行われる取引を、参加者がお互いに承認しあうことで「取引の信頼性」を担保しています。中央の閉じられたサーバー内で集中処理するのではなく、ネットワークに繋がれたすべてのコンピューターが取引の正しさを認証し稼働する仕組みであり、この特長を指して「分散型ネットワーク」と呼ばれたりします。

暗号署名

仮想通貨は、「電子署名」ができます。これによって現在の所有者に無断で送金したり盗んだりすることができません。またすべての所有者の履歴が残り、どういう取引を経て現在に至ったかを遡及して検証することができます。現金に色はないというのはかなりの欠陥で不正の温床になります。この点電子署名によりすべての取引・所有者が記録される仕組み(ブロックチェーン)は非常にスマートであり、単なる通貨としての価値を超えて、セキュリティ分野への応用が期待されます。

本文の趣旨とはそれてしまいますが、わたしは、投機的な仮想通貨の利用で一喜一憂するよりも、国際通貨やセキュリティとしての応用過程にとても興味をもっています。

現行の通貨やセキュリティの仕組みから取って代わることになれば、歴史的な転換点を迎えます。世界をより良いもの変える大きな可能性をもっているだけに、「得した、損した」の低俗な内容で語られることはあまり好ましくないと思っています。

仮想通貨のデメリット

「そうはいっても仮想通貨って何だか怪しい。暴落したりして紙屑になったりするのでは?過去にはこんな人もいたし。」

Mt.Gox事件:2014年に当時渋谷に拠点を置く取引所のMt.Gox社から500億円近いビットコインが消失し、経営破綻した事件。

と思われる方も多くいらっしゃることでしょう。

実際にビットコインにおいても、暴落した事件はいくつかあります。仮想通貨の普及の章で述べた以下の部分が代表的なイベントですね。

★4 2013.12/中国政府が金融機関によるビットコイン取引を禁止。

仮想通貨の決済手段としての利便性に目をつけたのが中国の富裕層です。何かと送金規制や外貨規制にうるさい中国当局の目をかいくぐって仮想通貨を媒介にして米ドルやユーロに換えるといった取引が横行しました。

結果として中国政府は公式に金融機関によるビットコイン取引の取り締まりに動き出し、ビットコインの価格は急落することになりました。

2018年1月においても、中国の大規模な仮想通貨禁止措置により、ビットコインの価格が大暴落し、それにつられて仮想通貨市場全体が一時的に大暴落しました(40%近くの下落)。

★5 2014.2/Mt.Goが閉鎖

ビットコインの世界最大の取引所であるMt.Goxが破綻したことで、価値が一時的に暴落しました。
日本ではメディアに大々的に取り上げられ、「ビットコインは終わった」「仮想通貨はあやしい」というイメージが世間に定着することになりました。

その他にセキュリティの観点からもいくつか問題が生じており、一部紹介します。

▼1 2010.8/ビットコインのバグにより1,840億BTCが偽造される

ビットコインの脆弱性を突き1,840億BTCが偽造されました。ビットコイン史上最悪のセキュリティ事件といえますが、すぐに開発チームにより修正対応がなされ、影響はほとんど残っていないとされています。

▼2 2011.6/Mt.Goxがハッキング被害を受ける

Mt.Goxがハッキング被害を受け、ビットコインやユーザー情報・パスワードが盗難され約1週間取引が停止されました。

▼3 2015.1/Bitstampがハッキング被害を受ける

Mt.Goxの閉鎖後最大規模の取引所であったBitstampがハッキング被害を受け、その被害額は約500万ドルであると発表されました。

▼4 2016.8/Bitfinexがハッキング被害を受ける

世界最大の取引量を誇る香港の取引所bitfinexがハッキングを受け、約12万BTC(約6347万ドル)が盗難被害にあいました。

▼5 2018.1/Coincheckがハッキング被害を受ける

これまでで最大規模のNEM(XEM)が約600億円相当不正送金されたことが発覚しました。

こうして見ると、①国家による規制(主に中国)②ハッキング被害(取引所のハッキング)によって価値暴落の憂き目にあっています。これをどう捉えるかについては、人それぞれ趣向があるかと思いますので言及しませんが、投機目的で手を出すにはそれなりのリスクがあることは十分理解しておく必要があります。

 

定申告はどうするの?←実際に投資をはじめていて確定申告に関係する人向け。本題。

いよいよ本題に入っていきます。ここまで長くてすみません。どうしてもイメージつかないまま説明しても「???」で終わってしまうので、最低限必要な知識をインプットしてもらうために、説明してきました。

ここからは、実際に取引をはじめて、確定申告どうしようかと悩まれている方向けに解説していきます。

普段はサラリーマンで給与所得があり、副業として仮想通貨の投資を行っている方をメインの対象とします。

仮想通貨取引にかかる消費税

まず消費税にかかる取扱いですが、非課税取引であることが2017年7月に公表されました。

これは2017年4月に資金決済法の改正により仮想通貨が支払の手段として位置づけられたことが後押ししたと考えられます。

仮想通貨の貨幣性が認められたことを受けて、下記の非課税取引一覧の中で、「支払手段の譲渡」に該当する項目の中に加えられました。

※(3)以外は無視してください。

非課税取引一覧

(1) 土地の譲渡及び貸付け 土地には、借地権などの土地の上に存する権利を含みます。 ただし、1か月未満の土地の貸付け及び駐車場などの施設の利用に伴って土地が使用される場合は、非課税取引には当たりません。

(2) 有価証券等の譲渡 国債や株券などの有価証券、登録国債、合名会社などの社員の持分、抵当証券、金銭債権などの譲渡 ただし、株式・出資・預託の形態によるゴルフ会員権などの譲渡は非課税取引には当たりません。

(3) 支払手段の譲渡(注) 銀行券、政府紙幣、小額紙幣、硬貨、小切手、約束手形などの譲渡 ただし、これらを収集品として譲渡する場合は非課税取引には当たりません。 (注) 平成29年7月1日以後、資金決済に関する法律第2条第5項に規定する仮想通貨の譲渡は非課税となります。

(4) 預貯金の利子及び保険料を対価とする役務の提供等 預貯金や貸付金の利子、信用保証料、合同運用信託や公社債投資信託の信託報酬、保険料、保険料に類する共済掛金など

(5) 日本郵便株式会社などが行う郵便切手類の譲渡、印紙の売渡し場所における印紙の譲渡及び地方公共団体などが行う証紙の譲渡

(6) 商品券、プリペイドカードなどの物品切手等の譲渡

(7) 国等が行う一定の事務に係る役務の提供 国、地方公共団体、公共法人、公益法人等が法令に基づいて行う一定の事務に係る役務の提供で、法令に基づいて徴収される手数料 なお、この一定の事務とは、例えば、登記、登録、特許、免許、許可、検査、検定、試験、証明、公文書の交付などです。

(8) 外国為替業務に係る役務の提供

(9) 社会保険医療の給付等 健康保険法、国民健康保険法などによる医療、労災保険、自賠責保険の対象となる医療など ただし、美容整形や差額ベッドの料金及び市販されている医薬品を購入した場合は非課税取引に当たりません。

(10) 介護保険サービスの提供 介護保険法に基づく保険給付の対象となる居宅サービス、施設サービスなど ただし、サービス利用者の選択による特別な居室の提供や送迎などの対価は非課税取引には当たりません。

(11) 社会福祉事業等によるサービスの提供 社会福祉法に規定する第一種社会福祉事業、第二種社会福祉事業、更生保護事業法に規定する更生保護事業などの社会福祉事業等によるサービスの提供

(12) 助産 医師、助産師などによる助産に関するサービスの提供

(13) 火葬料や埋葬料を対価とする役務の提供

(14) 一定の身体障害者用物品の譲渡や貸付け 義肢、盲人安全つえ、義眼、点字器、人工喉頭、車いす、改造自動車などの身体障害者用物品の譲渡、貸付け、製作の請負及びこれら身体障害者用物品の修理のうち一定のもの

(15) 学校教育 学校教育法に規定する学校、専修学校、修業年限が1年以上などの一定の要件を満たす各種学校等の授業料、入学検定料、入学金、施設設備費、在学証明手数料など

(16) 教科用図書の譲渡

(17) 住宅の貸付け 契約において人の居住の用に供することが明らかなものに限られます。 ただし、1か月未満の貸付けなどは非課税取引には当たりません。

(消法4、6、消法別表第一、消令8から16の2、平29改正消令附則1、旧消令11、消基通6-1-1から6-13-9)

なお、非課税取引は上記(1)~(17)までの限定列挙であることをもって、昨年平成28年度の確定申告では、課税取引として計算されていた方も多くいるかと思います。

実際に税理士や税務署に照会した中でも結構意見が人によって割れていました。

後述する所得税にも関係しますが、今年度で大まかな消費税や所得税の考え方が整理されています。

これとは違うやり方で過年度の申告を行っていた場合に、還付金が発生するようであれば、更正の請求(税金を取り返す手続き)を行い、納めすぎた税金を返してもらってください。

仮想通貨取引にかかる所得税

次に所得税にかかる取り扱いです。こちらは2017年12月に「仮想通貨に関する所得の計算方法等について(情報)」が公表されました。

FAQ形式で掲載されていますので、順を追って確認していきます。

1.仮想通貨の売却


ここでのポイントは、購入時の支払手数料ですね。

取得した時に全額経費(支払手数料)として処理したくなるところですが、この説例に従うと、経費ではなく取得に付随する費用は原則取得原価に含める必要があります。

2.仮想通貨での商品の購入

ここで注意しておきたいのは、仮想通貨は商品の購入や支払の決済手段として使った際にも税金が生じるという点です。

国税庁の公表でもわざわざ冒頭に書いています。

「ビットコインをはじめとする仮想通貨を売却又は使用することにより生じる利益について」と。

決済手段としての利用のみの場合であっても、他人事ではありません。

3.仮想通貨と仮想通貨の交換

イーサリアムの購入にビットコインを使う時などにも所得が発生します。この場合持っていたビットコインの含み益分が実現したと考えてください。

昨年度の確定申告の際は、ビットコインをアルトコインに変えた場合の取り扱いについて不明確で、かなり情報が錯綜していました。

税理士や税務署の照会では、「円転したときにはじめて所得が発生する」と回答していた事案もあるようです。

しかしながら平成29年度分の確定申告からは、国税庁から取扱いが公表された以上、仮想通貨の交換についても所得税の課税対象になります。

4.仮想通貨の取得価額

2.と関連して取得価額の取り扱いについても明確にされました。

税務上は移動平均法と総平均法(継続適用が要件)が認められています。

迷わず総平均法を選択しましょう。計算がとても楽です。

「でも実際計算してみて有利な方を選択したい!」と考えている人は思いとどまってください。

今年移動平均法を選んだら、ずーっと移動平均法で計算しなければいけません。来年以降取引量が増えてもです。

2つしか選択肢がなく、1つが継続適用が要件ということは、

つまり未来永劫どっちにするか選べと言っていることと同じなんです。

今年移動平均法で計算して有利なら、当然その分将来は移動平均法で計算したら不利になり、長い目でみればゼロサムです。

「言ってる意味が分からん」という人、わたしを信じてとにかく総平均法を選んでください。

5.仮想通貨の分裂(分岐)

これは、ビットコインの分裂(ビットコインキャッシュの誕生)やイーサリアムの分裂(イーサリアムクラシックの誕生)を念頭においたものと考えられます。

分裂時点で価値がないというのは初値が付く以上意味不明な説明ではありますが、要は取得時点の価値を客観的に測定できないということだと思います。

そこで取得価額をとりあえず0円として取得時には課税せずに、売却や使用時にまとめて課税しましょうという取扱いになっています。

6.仮想通貨に関する所得の所得配分

これ、個人的には最重要のQ&Aです。

「雑所得と事業所得でどこが違うのよ?大して変わらなくね?」

そう思った方、全然違います。

雑所得だと益が出た場合には、他の所得と通算(相殺)できずにまるまる所得税がかかります。

一方損になる場合にも、他の所得と通算することはできず、損失の繰越もできません(株式や投資信託はできるのに)。

これが事業所得になると、他の事業や所得と通算することができ、損失の繰越もできます。

したがって、両者は全然違くて事業所得にした方が有利です。

国としてはできるだけ税金を納めて欲しいので、事業所得になるようなケースを限定しています(そのように読めます)。

ただ「その収入によって生計を立てていることが客観的に明らかな場合」って全然具体的な説明になっていませんよね。

例えば、個人事業主で元請け下請け含め様々な事業を営んで、「一つ一つは小さくても全体としてみると生計するに足る所得」を得ていることは往々にしてあります。

「仮想通貨で得た所得も事業として生計の一部を構成している」というのであれば、事業所得として取り扱って差し支えないと考えます。

「仮想通貨を専業でやっている人以外は事業所得にできない」などとは何も書かれていないので、解釈によって事業所得と認められる余地はあると考えます。

事業所得にするか雑所得にするか悩む場合は、個別に税務署に照会して、先にネゴっておくことが重要でしょう。

※こういうグレーゾーンは税理士に聞いても答えはでません。

7.損失の取扱い

6に記載したとおりです。なお事業所得として区分した場合には、他の所得と通算できます。

8.仮想通貨の証拠金取引

少々マニアックな論点になりますが、「現行制度では」適用できないということが書かれています。

FXもつい最近まで「雑所得」に区分されていたことを勘案すると、これについてはいずれ取扱いが整理されてくると思います。

9.仮想通貨のマイニング等

マイニングで儲けるというのはもはや片手間ではとても無理だと思いますので、基本的には事業所得になるケースがほとんどと思います。

この場合注意すべきは2段階課税される点です。

なぜかこれには説例がないので、勝手につくってみました(笑)

例:マイニングにより得た10BTCを(報酬時の時価1BC=20万円)、1か月後に取引所で全て売却した(売却時の時価1BC=30万円)。なおマイニングにおいては、必要経費として100万円が(電力料、パソコン、賃借料など)かかっている。

★1段階目★マイニング報酬時

収入金額200万円(マイニング報酬)-経費100万円=100万円

★2段階目★市場での売却時

収入金額300万円(市場売却時の時価)-取得価額200万円(マイニング報酬)=100万円

確定申告は実際どうやればいいの?手順を教えてくれ!

仮想通貨にかかる所得の計算方法をここまでご紹介してきました。このQ&Aでほとんどの方は解決されると思います。そのほかは基本的には個別判断になりますので、ここでは詳細を割愛します。

では、所得の計算方法がわかったとして、次に確定申告をどうやればいいんだ!と気にされるでしょう。

ここでは、ベースとなる給与所得があって、副業ではじめた仮想通貨がブレークしてしまった人を対象にします。

他の事業を行っている個人事業主の方は既にお抱えの税理士さんがいらっしゃるでしょうから、税理士さんの指示にしたがってください。

自分で確定申告している方は、事業所得とする場合には、他の事業と計上の仕方は同じです。また雑所得とする場合には、後述する手順を参照してください。

なお仮想通貨専業で今年から確定申告が必要な方は、一番下のお問合せフォームから個別にお問い合わせください。この方だけがこの記事だけでは救済されないので。

1.資料の収集

まずやることは資料の収集です。

  • 給与所得の源泉徴収票
  • 仮想通貨の取引履歴(取引所ごと)と使用履歴

を集めてください。

2.雑所得の計算

次に仮想通貨の取引履歴と使用履歴をもとに、仮想通貨にかかる所得税を参考に、収入金額と経費金額を集計してください。

売却については「取引所かつ通貨ごと」、使用については「店舗ごとかつ通貨ごと」にExcelでまとめていくと、後ほど実際に確定申告で記入するのが楽になります。

なお、取引履歴と使用履歴から、税金計算までしてくれるサービスも開始されているようです。

G-tax

※リンクに飛ぶと税理士紹介云々と記載されていますが、当事務所とは関係がありません。

当事務所は個人の確定申告業務を基本的に請け負っておらず、この記事はみなさまが「自分で確定申告まで行うこと」をゴールに記載しています。

3.国税庁のHPにアクセス

税理士にお願いしないで大丈夫かよ~と思われたかもしれませんがご安心を。

数字や必要事項を入力していくだけのただの作業です。

求められるのは入力時間だけで、センター試験で数学が得意だったとか、細かい計算が好きとか、まして簿記ができるとか、そんなの一切関係ありません。

では、さっそくいきましょう。

まず国税庁の確定申告書作成コーナーに飛んでください。

次に、真ん中の青い枠で囲われている、⇒申告書・決算書収支内訳書等 作成開始 をクリックします。

クリックすると、e-taxか、書面提出かを選択する画面が出てきますので、「書面提出」を選択してください。

※e-taxを既に利用している方はe-taxでかまいませんが、はじめての方は初期設定が面倒です。カードリーダー、電子登録、利用者識別番号あたりの用語を見て何をやるかがピンとくる方以外は、「書面提出」をおすすめします。

次に書面提出をクリックすると、ブラウザの動作環境が確認されます。

チェックをクリックして次に進んでください。

次に平成29年分の申告書等の作成の中から、所得税コーナーをクリックしてください。

クリックすると、3つの入力方法が出てきます。真ん中赤枠の左記以外の所得のある方(全ての所得対応)を選択して作成開始をクリックください。

クリックすると以下の確認画面がでてきます。生年月日を入力して、一番下の申告書の様式をイメージした入力画面で、申告書を作成するにチェックを入れ、次に進みます。

いよいよ確定申告書の画面がお出ましになります。とはいえ、ここからはただの転記作業です。おそるるに足りません。

まず、以下の画面の②給与・雑(公的年金など)・一時・配当(総合)のみの方をクリックして不要な項目をスケールアウトしましょう。

次にまずは給与所得から入力します。

配当(オ)のすぐ下に給与(カ)とありますから、ここをクリックします。そうすると、以下の画面が出てきます。

お手元の源泉徴収票に沿って4ページにわたって転記していくだけです。入力が終わったら、入力終了を押してください。

※ここでは、ダミーで支払金額6,000,000円、源泉徴収税額227,520円、社会保険料861,060円と記載しておきます。

クリックすると内容確認画面が出てきます。2箇所以上から給与をもらっている方は、もう1件入力するをクリックして入力をすすめてください。

すべて入力が完了したら、次へをクリックします。

元の入力画面に戻ると、給与所得に関係する項目に数字が自動転記されていることを確認して下さい。

さて、いよいよ次からは雑所得の転記作業です。

給与(カ)のすぐ下に雑_その他(ク)とありますから、ここをクリックします。そうすると、以下の画面が出てきます。

上記以外(報酬等)の入力するをクリックしてください。

お手元の雑所得の計算シートから、仮想通貨・取引場所・収入金額と必要経費(売却取引においては取得価額)をペタペタと転記していき、

入力終了(次へ)をクリックしてください。

※特に入力方法に決まりがあるわけではありませんが、あとで問い合わせがあった際に、説明しやすい区分で記載するようにしてください。

最後に確認画面で問題なければ入力終了をクリックします。

元の画面に戻ると、自動で税額が計算されています。

この場合だと納める税金(47)443,300円を確定申告で納付しなければなりません。

ここまでで税金計算は終わりです。お疲れ様でした。

ただの入力と転記作業だということがおわかりいただけたと思います。

あとは、印刷→税務署への提出(持参or郵送)→納税(振替納税も可)で終わりです。

ラストスパートいきましょう。

まず先ほどの画面の右下で入力完了をクリックすると、住民税等および住所氏名等入力画面がでてきます。

これをゴリゴリ入力していきます。

最後の画面で振替納税の依頼書を作成する箇所が出てきますので、ご希望の方はこの指示にしたがって依頼書を作成してください。

入力完了すると、印刷画面がでてきますので、指示にしたがって、印刷を行います。

印刷後、添付書類台紙に必要書類(本人確認書類と源泉徴収票)を貼り付けて終わりです。

一式揃えて最寄りの税務署に提出してください。

控えをもっていくと、表紙に収受印を税務署員が押してくれますので、提出用と控用2部持っていくことをおすすめします。

郵送の場合には返信用封筒をいれて、表紙だけ2部いれておくと、収受印を押印した表紙を一部返送してくれます。

※添え状を入れた方が丁寧でしょう。

なお、申告書を印刷した後の作業が不明な場合は、印刷ページの入力を完了すると、以下のページに飛びます。必要な情報をご確認ください。

ここまで見てきていかがだったでしょうか。

入力項目が多いだけで、やっていることは大したことありませんでしたね。

画面の指示にしたがって、ゴリゴリと入力や転記をしただけです。

確定申告しなくてもバレないんじゃないの?

「確かに作業は簡単そうだけど入力項目多くてだるいな。確定申告しなくても大丈夫でしょ。世の中確定申告していない人なんて大勢いるし。」

そう思った方いませんか?実際に税務署もリソースが限られてますから、確定申告しなければ100%ばれる!!なんてことはないとはわたしも思います。

とはいえ、課税当局も監視の目を光らせていることを忘れてはいけません。

ニュース報道

朝日新聞などの報道によると、平成29年度の確定申告に向けて、国税当局は取引履歴や資産状況の照会を取引所に対して行っていると言われています。取引所を通しての売買で得たあぶく銭については、捕捉されると考えた方がいいでしょう。

税務調査

また税務調査って所得税だけではないんです。法人税調査・消費税調査・源泉所得税調査・相続税調査などなど。税科目の種類だけ調査対象になり得る危険があります。

極端な話、相続税の調査を受けている際に、相続財産が振り込まれた通帳を出したら、コインチェックの入出金履歴が見つかって「これ何ですか?」って聞かれるかもしれません。

そんな間抜けなことないと思うかもしれませんが、バレるときって大抵は思わぬことでバレるものです。もし見つかった際には、延滞税、不納付加算税、重加算税とガッツリ搾り取られます。

時効を迎えるまで後ろめたい気持ちで過ごすくらいなら、払うものは払って楽になりましょう笑

ここまで根気強くこの記事を読んでくださるみなさまには、是非正しく納税していただき、気持ちよく勝利の祝杯をあげていただきたいと思います。

The trip isn’t over until you get back home.

最後に

ここまで読んでくだった方、どうもありがとうございます。一人で確定申告までやり切ることを想定して書いてきましたがお役に立てましたでしょうか。

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ABOUTこの記事をかいた人

東京都で働く公認会計士・税理士です。祖父・父親・叔父・弟も公認会計士や税理士の不思議な家系です。移転価格・組織再編・タックスヘイブンに強みがあります。ついついブログの投稿とダイエットは3日坊主です(笑)