簿記って何級持っていれば経理や会計事務所で働けるの?

会社の経営情報をしっかり把握し、経営者の右腕的なイメージのある経理。

堅実で安定的なイメージもあり、特に女性に人気の部署ですよね。

 

経理や会計事務所で働く人の多くが取得している「簿記検定」。

また採用する側にとっても、簿記検定の資格の有無は、経理部員の能力を確認する上で必要不可欠です。

 

それではいったい何級を持っていれば経理や会計事務所で十分に働くことができるのでしょうか?

 

ざっくり言ってしまうと簿記検定の級数は、働く会社の規模によって、目指すべき級が変わってきます。簿記検定にはいくつか種類がありますが、今回は一番メジャーな「日商簿記検定」でこれから紹介していきましょう。

簿記3級→個人商店(家族経営)

日商簿記検定3級は、基本的な商業簿記の知識を学ぶのにちょうどいい級です。

「商品を仕入れて、それをどこかに売る」といった一般的な取引の処理方法や、最終的な決算書の作成方法まで、ひと通りの経理実務を学習することができます。

個人商店や家族経営のような、取引量が少ない企業の経理として働く場合は、3級の取得で十分です。

経理以外で働いている場合でも、簿記3級の知識は身につけて損はありません。

たとえば営業として働いている場合でも、簿記3級の知識があることによって、

・経費精算の大切さ
・請求書発行から入金までの流れ
・より利益を出すための経費節約の視点

などが身につき、会社への貢献につながります。

簿記2級→中小企業(いわゆる中小企業)

日商簿記検定3級では、「商品を仕入れて、それをどこかに売る」でした。
日商簿記検定2級は、「商品を仕入れて、それを加工し、どこかに売る」と、工程が増えます。

そのため、加工する際に発生する材料費や水道光熱費、人件費などの資源を把握するための知識が必要です。
2級では「工業簿記」という受験科目が増え、さらに高度な会計処理をできるようにします。

上記の例では「商品を加工」としましたが、アパレルなどでは布を仕入れて服にしますよね。
仕入れた商品をそのまま販売することはまれですので、2級の知識は多くの企業で使える知識になります。

企業規模としては、中小企業であれば2級の知識で対応可能です。

最初から2級の取得が不安という方は、3級と併願することができます。
同日に開催されますので、まずは3級で自信をつけてから2級の試験に臨むのもオススメです。

簿記1級→子会社があるような大企業(連結会計)

日商簿記検定1級は、2級よりも科目が増え、4科目で一定の得点を取る必要があります。

・商業簿記
・会計学
・工業簿記
・原価計算

それぞれの科目で40%以上の得点を取得し、全体で70%の得点が必要です。

簿記検定1級は、公認会計士や税理士といった国家資格への登竜門とされ、合格すると税理士試験の受験資格が得られます。

資格取得の難しさからもわかるように、子会社があるような大企業での経理での経理業務に必要な知識です。

受験科目に対して高度な知識を修得し、企業会計に関する法規を理解した上で、経営管理や経営分析ができるほどの知識が身につきます。

経理のプロを目指すのであれば取得を考えましょう。
その後の道が広がるので、さまざまなキャリアプランを選ぶことができますよ。

Q&A

日商簿記検定についてよく聞かれる質問を3つご紹介します。

【質問①】

日商簿記検定の実施時期はいつ頃でしょうか?
年に一度しか受験できないのですか?

【回答①】

日商簿記検定は、年3回(6月、11月、2月)実施されています。

 

2月だけは、1級の試験が実施されませんので注意してください。

各年度の詳しい日程は、日商簿記検定のホームページに掲載されています。
申し込み時期などもきちんと調べておきましょう!

 

【質問②】
日商簿記検定の検定料はいくらなのでしょうか?
増税にともなって、検定料が上がったりするのでしょうか?

【回答②】

日商簿記検定の2018年度の検定料は以下です。

・1級:7,710円
・2級:4,630円
・3級:2,800円

すべて税込みのため、増税後には検定料が値上げされる可能性もありますが、現在のところ発表はされていません。
増税前に取得してしまうのもいいかもしれません。

 

【質問③】
勉強を頑張っていますが、合格できるが心配です。
日商簿記検定の直近の合格率はどのくらいなのでしょうか?

【回答③】
簿記検定の合格率は日商簿記検定のホームページに掲載されていますが、直近3回分の合格率を表にまとめました。

 

 

◆3級
半数の方が合格できるため、比較的取得しやすいです。
しかし、何回かに一度難しいとされる回があり、合格率が30%くらいまで低くなることがあります。
きちんと勉強して臨めば解ける問題なので、万が一難しい回に当たっても大丈夫なように準備しましょう。

◆2級
3級では1科目だけでしたが、2級では科目が2つに増えます。
両方の科目で一定の点数が必要なため合格率が下がる傾向にありますが、受験者の中にはきちんと勉強していない人も含まれています。
きちんと準備して挑めば合格できますので、安心して勉強を進めましょう。

◆1級
2級よりも科目数が増え、試験も他の級より1回少なく合格率も1桁です。したがって合格には多くの努力が必要です。
独学で学ぶよりも、専門学校や資格学校などで学ぶ方が、効率的に勉強が進みます。
1級合格の先には、より高度な「公認会計士」や「税理士」の道もありますので、キャリアアップのためにも挑戦してみてください。

ABOUTこの記事をかいた人

東京都で働く公認会計士・税理士です。祖父・父親・叔父・弟も公認会計士や税理士の不思議な家系です。移転価格・組織再編・タックスヘイブンに強みがあります。ついついブログの投稿とダイエットは3日坊主です(笑)