税理士にフリーランスは記帳代行を丸投げすべき理由。

※この記事は、主に個人事業主や法人のうち、従業員が3名未満の方向けが対象になります。

ポイント
・事業に専念>税理士報酬
・記帳まで自分でやって、確定申告を税理士にお願いするのは百害あって一利なし

フリーランスの方や副業で給与所得以外の所得があるサラリーマンの方は、ご自身で確定申告されている場合が多いのではないでしょうか。

わたしも「確定申告くらいは一人でできるじゃん」と昔は考えていました。しかしながら開業以来数多くの個人事業主の方の確定申告をご依頼いただく中で(現状100人超)、少し考えが変わってきました。

税理士に記帳代行をお願いすべきか悩んでいる方には、是非とも推奨したいと思います。

そもそも記帳とは

そもそも記帳って何でしょうか。ざっくり言ってしまうと、事業を行った結果を帳簿に反映させる作業です。

大きく分けると「収入」と「経費」が該当します。

ピッコロ
何だ簡単じゃないか?
Junichi税理士
皆さんそう仰るんですよね?

簡単だと思っている方、収入を入金ベースで処理していませんか?例えば、このケースの売上はいついくらで記帳すべきでしょう。

(フリーランスの契約)

・契約期間:10月から翌年2月まで

・契約金額:総額250万円

・支払い:着手金で10月に100万円。残額150万円を2月末の検収後翌月末に一括振込。

また経費に関してこんなケースはどうでしょうか。

(携帯電話)

・業務用とプライベートと分けずにスマートフォンを使っている。

・請求書上は一本で来ているが、業務用をどうやって経費にしたらいいのか?

これもどうしたらいいかパッと浮かばない人が多いのではないでしょうか。

一言に記帳といっても結構”ゆらぎ”の部分があります。税理士のような専門家に依頼した場合には、ナレッジが蓄積されていますのでパッと処理できますが、多くの方は悩まれるところだと思います。

誰がやっても同じにはならないという点は覚えておきたいポイントです。

メリット

ではさっそく税理士に記帳代行を依頼するメリットについてまとめます。

確定申告までワンストップで依頼できる

これは大きなメリットです。記帳は確定申告を行うための前段階に過ぎません。決算書ができてもそれをもとに確定申告書を作るにはもうワンクッション必要です。記帳代行専門業者は、税理士資格がないためこの確定申告書を作るところまで業務を行うことができません。

ワンストップでお願いするためには、記帳代行から税理士にお願いする方が合理的です。

経費の計上漏れがなくなる

税理士に費用を計上してもらおうとすると、事前に自分で領収書やカード明細などかき集めることになります。自分でやる場合には、ある程度で「もういいや。探すの疲れるし。」となりがちですが、毎月毎月税理士にせっつかれて経費を集めていくうちに、経費をきちんと保管する癖が習慣化されてきます。ダイエットと同じです。習慣化してくると大きな効果となって後々現れます。

記帳代行受託前年の確定申告書と記帳代行受託後の確定申告書を見比べると一目瞭然です。当事務所の調べではだいたい20%から25%ほど計上される経費が増加していました。

事業=売上に専念できる

これも非常に重要な点です。一人親方で稼いでいる方は、バックオフィス業務はとにかく外注しましょう。1円にもならない業務に時間を極力使ってはいけません。

経営指標として株式会社では、ROE(自己資本利益率)を意識した経営が求められます。

・ほぼ同じ純資産を保有しながら、株価に3〜4倍もの評価の差が出るのは、投資家の「期待値」の差。世界の投資家が最も意識するのはROEだ。

・持ってるリソースをどのように配分すれば、 E(資産)に対するR(利益)をマックスにできるかを考えるのが経営者の仕事だ。

(村上世彰)

ROEとは、当期純利益(R)を自己資本(E)で割った値です。これをフリーランスの個人事業主にあてはめると、自己資本(E)は時間です。

できるだけ時間を利益に直結する業務に振り向けることが成功の鍵です。

Aさん:申告書作るところまでわたしがやりますのでレビューだけお願いします。その分安くしてください。

Bさん:できるだけ本業に集中したいので、記帳までお願いします。できればリーズナブルに(懇願)

1年後に「法人成り」の相談など前向きな検討ができる方は、圧倒的にBさんタイプなんです。事業に限らず「何をやるか!」以上に「何をやらないか!」を明確にできている人の方が、強いです。

税務相談ができる

いわずもがなですが、税理士に依頼するメリットに税務相談があります。経費の計上の是非以外にも保険・固定資産・受注元との契約内容の見直しにはじまり、税務署への届け出関係書類の棚卸まで幅広く相談することができます。「後でしまった!」ということがないように疑問点は専門家を使って早めにつぶしておくべきでしょう。

特に海外とを行き来するような場合には、居住者の判定によって所得税が大きく変わり、取り返しのつかないことにもなりかねません。

ピッコロ
海外行き来するフリーランスって増えてるよね
Junichi税理士
国際税務に強い税理士はほとんどいません。わたしたちの事務所では前任の税理士にテキトーな対応をされ、重大な問題を抱えてしまったクライアントさまを多く見てきています。

デメリット

次にデメリットについてまとめていきます。

税理士報酬がかかる

いわずもがなですが、人に頼むとお金がかかります。報酬相場で言えば、フリーランス向けの記帳代行は大体月に5,000円から10,000円前後が発生します。年間にすると確定申告込みで60,000円から120,000円程度が一般的です。

記帳は自分でやって、申告書の作成だけお願いしたい!という方もいるかと思いますが、わたしはあまりおすすめしません。

なぜかというと、記帳を自分でやると事業に専念する時間がその分減るためです。税理士報酬を8万円→4万円にするために年に50時間(月3時間)もかけていては、本末転倒です。

時給に換算すると800円で仕事をしていることになります。

加えて記帳を自分でやった場合に、税理士の目線からすると、確証を見ていないので間違いに気づきにくくなります。

後日間違いが発覚した場合には、修正申告や更正の請求といった確定申告のやり直しをしなければなりません。

したがって、費用負担が増えてしまいますが、記帳まで丸投げしてしまうことをおすすめしています。

月次で資料を共有する手間が発生する

記帳代行をお願いする場合には、年度でまとめてお願いするよりも月次でお願いすることをおすすめします。なぜかというと、月次でPL(損益計算書)を把握しておくことによって節税策を講じる余地があるためです。年明けにまるっと資料を税理士さんに渡した場合には、もう節税対策する時間はありません(多くの場合12月中にやらないといけないので)。

月次のPLを確認しつつ、年度末に小規模企業共済の掛金拠出や少額減価償却資産の取得などで調整し、税額をコントロールするのがスマートです。そのためには月次で資料(売上明細や領収書、カード明細など)を税理士に共有する手間はかかります。なお、多くの場合その内ルーティンになりますので負担感はなくなりますが、それでも負担を感じるようであれば、年度末一発勝負で目をつぶって確定申告してしまった方がいいかもしれません。

結論

メリット>デメリットである限りは、やるべきだと考えます。

わたしが記帳代行をおすすめするメリットとして、特に記帳を丸投げすることで事業に専念できる点が非常に大きいのではないでしょうか。

私自身財務コンサルティング専門の法人(株式会社)を税理士業務とは別に経営しています。皆さん税理士なんだから自分で決算も申告もしていると思われるかもしれませんが、実際は記帳や税務申告を他の税理士さんにお願いしています。昨年度までは税理士業務の間にシコシコ自分で記帳して決算組んで申告書を書いていたのですが、丸4日間ほどはどうしてもかかります。法人なので税理士報酬は丸投げで年間30万円ほどかかりましたが、その4日で売上30万円以上作ればいいんだと考えを改めました。

フリーランスの個人事業主でいえば月次の記帳代行も込みで年間10万円もかからないでしょう。慣れない記帳や煩わしい税金を計算するために取られる時間は精神的にも負荷になります。

注意点

ニセ税理士

税理士資格がないにもかかわらず、確定申告まで請け負うことを謳っている記帳代行業者は税理士法違反ですので注意です。コンプライアンス意識の低い業者は、記帳もいい加減ですのでお願いしない方が賢明です。その分安いですが(苦笑)

当事務所へのご依頼

わたしたちの事務所では、フリーランスの個人事業主さまを中心に年に100件以上記帳から確定申告に至るまでワンストップで記帳代行サービスを提供しております。ナレッジも溜まっておりますので、ストレスなくご依頼することが可能です。ご興味ありましたら、下記フォームにて是非お問い合わせください。

(報酬目安)

個人フリーランスの場合:年間報酬60,000円

※確定申告料まで全て含みます。

ABOUTこの記事をかいた人

東京都で働く公認会計士・税理士です。祖父・父親・叔父・弟も公認会計士や税理士の不思議な家系です。移転価格・組織再編・タックスヘイブンに強みがあります。ついついブログの投稿とダイエットは3日坊主です(笑)