マネジメントソリューションズ(7033)上場(ipo)|目論見書等から分かる今後の行方

2018年7月23日に上場するマネジメントソリューションズ。同社は、企業のプロジェクトに対し、プロジェクトマネジメント支援サービスを提供しています。

企業においては、プロジェクトの企画者や実行者はいても、プロジェクトをマネージングする専門者たるプロジェクトマネージャーはなかなか育成困難で不足している状況です。

同社は、プロジェクト進捗/課題管理プロセスの導入や管理プロセスの実行支援により、プロジェクトマネージャーの負担を軽減し、プロジェクト成功率を高めるサービスを展開しています。

出典:同社HP

同社のIPOに至るまでの軌跡と今後の展開について目論見書等から探っていきます。


(参考記事)

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概要

ファンダメンタルズ

過去5年間の業績推移と直近四半期から推計した業績をもとに簡易的に分析した結果です。

競合他社の状況

コンサルティング関連銘柄の直近(執筆時6/26)のファンダメンタルズによると、コンサルティング関連銘柄は他業種に比べ、PER、PBR共に平均的な業種といえます。

PMOを行うようなコンサルティングファームは、新興市場にはありませんでした。競合他社との比較分析は十分にできませんでしたが、想定価格は割と強めに出しているので、あまり割安感はありません。

出典:Kabutan

IPOスケジュール

抽選申し込み期間:7/4(水)~7/10(火)

当選発表日:7/11(水)

購入申込期間:7/12(木)~7/18(水)

上場日:7/23(月)

評価

総合評価:44点/60点 C

短期の変動で利益を狙うよりも、長期安定的な値上がりを狙う中長期戦略の投資に向いている銘柄といえます。

業種:7点/10点

コンサルティング関連銘柄はPER、PBRともに幅広く、業種によって株価が割高になったり割安になったりする面が小さく、実力通りの株価が形成されるものと考えられます。

事業規模:7点/10点

売上高は25億円あり、上場時の売上高としては平均から少し小さい規模でしょうか。通期予想でも売上30億円弱で推移しています。

収益性:8点/10点

直近四半期の経常利益率は7.1%と高い収益性を確保しています。過去2期の経常利益率も7%前後であり、収益性の観点からは爆発力はないものの、安定した収益獲得基盤があることは魅力です。

ビジネスリスク:7点/10点

特定の顧客の占める割合が強いため、クライアントの業績に左右される面があるかと思います。景気の低迷期には、コンサルティングにかかるクライアントの予算は真っ先に削減されますので、サービスの質が一定でも収益性が悪化します。人「財」ビジネスである以上、景気低迷→予算縮小→人員あまり→リストラの負のスパイラルに陥ると建て直しが容易ではありません。上場による知名度向上を通じて、景気の良い今の内に新規顧客の間口を拡げることは直近の課題でしょう。

将来ビジョン:7点/10点

事業拡大のためのコンサルタント増員や中国市場の開拓に向けた中国子会社の設立を予定しています。メルカリのように既に海外進出を進めている段階と異なり、将来ビジョンはまだ「ふわっ」としています。目下はコンサルタントの増員と教育に心血を注ぐのでしょうか。

希少性:8点/10点

オーバーアロットメントを含むipoでの当選株数は517,500株(売買単位100株)。当たりは5,175枚と当選本数は少なめです。希少性の高い銘柄は初値が騰がりやすく期待できます。

評価ランク

A評価:54~60点

B評価:48~53点

C評価:42点~47点

D評価以下:~41点

詳細

証券情報

市場からの調達規模

市場からの調達は、公募400,000株、売出50,000株、オーバーアロットメントによる売出67,500株の合計517,500株を最大で調達します。募集の条件はブックビルディング方式です。

株式の引受け

株式の引受けは、みずほ証券、東海東京証券、エース証券、いちよし証券、SBI証券、岡三証券です。

ロックアップ

ロックアップ期間は90日で、発行価格又は売出価格の1.5倍に到達した場合も解除されます。詳細は以下のとおり目論見書から抜粋します。

売出人である田中大介、大株主であり貸株人である高橋信也、並びに当社株主である、株式会社ユナイテッドトラスト、高橋美紀、早田僚子、福島潤一、後藤年成、赤羽具永、岡村裕之、金子啓及び大内雄司は、主幹事会社に対し、元引受契約締結日から上場日(当日を含む)後90日目(平成30年10月20日)までの期間(以下、「ロックアップ期間」という。)、主幹事会社の事前の書面による同意なしには、当社普通株式の売却等(ただし、引受人の買取引受による売出し、オーバーアロットメントによる売り出しのために当社普通株式を貸渡すこと及びその売却価格が本募集等における発行価格又は売出価格の1.5倍以上であって、主幹事会社を通して行う株式会社東京証券取引所取引での売却等を除く。)を行わない旨を合意しております。

調達資金の使途

事業拡大のためコンサルタントを増員するほか、サービス品質向上を目的とした研究メニューを充実させるための人材採用教育費の一部として、平成30年10月期に30百万円、平成31年10月期に287百万円、平成32年10月期に212百万円を充当する予定です。

その他プロジェクトマネジメント市場の拡大が見込める中国市場において、平成30年10月期に設立する子会社の資本金として50百万円を充当する予定があります。

企業情報

セグメント情報

同社は、コンサルティング事業の単一セグメントです。

事業等のリスク

同社が認識している事業等のリスクは、目論見書に記載されています。

・人材の確保と育成の強化

・新規顧客の充実

・グローバルプロジェクトへの対応と海外進出

中でも気になる点は、「新規顧客の充実」と「グローバルプロジェクトへの対応と海外進出」の箇所でしょうか。

現状同社の主要顧客は、エネルギー企業のような公共系企業やメーカーを中心とした特定顧客に売上が集中する傾向があるようです。もちろんコンサルティングサービスの質の高さからリピーターになっているという点は見逃せない特長である反面、マーケティングという面では課題があるものと考えられます。今回の上場を通じた知名度の向上をうまく新規顧客の獲得に結び付けたいところです。

出典:同社HP

またグローバルプロジェクトへの対応という点では、現在台湾に海外子会社が1社あり、プロジェクトマネジメント市場の拡大が見込める中国市場において、平成30年10月期に新たに海外子会社を資本金50百万円で設立する予定があります。日系企業の海外進出サポートがメインになるものと考えられますが、中国市場に的を絞った戦略です。いかに立ち上げから優秀な人材を獲得し、同社の日本市場で培ったナレッジを現場に落とし込み、早期に実績を積み上げられるかが、鍵になりそうです。こちらは短期というよりも中長期的な視野で動向を注視する材料になりそうです。

出典:同社HP

研究開発活動

コンサルティング事業で該当なしです。

設備の状況

本社の事務所用設備10百万円が主要な設備。製造業ではなく固定資産はほとんどありません。

経理の状況

進行期の貸借対照表及び損益計算書の状況です。

 

販売費と一般管理費の割合では、平成29年10月期においては、販売費2.8%、一般管理費97.2%で構成されています。固定費としての性格が強い一般管理費が占める割合がほとんどであることが分かります。

ストックオプションの状況

新株予約権の目的となる株式数は、以下のとおりです。

第2回A新株予約権:40,000株(行使価額100円)

第2回B新株予約権:10,000株(行使価額100円)

第12回新株予約権:28,800株(行使価額500円)

合計78,800株

上場後の発行済み株式総数1,796,800株に占める割合は、4.3%と重要ではありません。SOによる希薄化効果はあまり考慮に入れる必要はなさそうです。

大株主の状況

最後に大株主の状況を確認しましょう。株式会社ユナイテッドトラストは、役員等により総株主等の議決権の過半数を所有されている会社ですので、実質オーナーの資産管理会社と見て間違いないかと思います。

ファンドや事業会社がほとんど入っていないことが特徴的です。ファンドにせっつかれて無理やり上場といったケースではない点は安心できる材料だと思います。

ABOUTこの記事をかいた人

東京都で働く公認会計士・税理士です。祖父・父親・叔父・弟も公認会計士や税理士の不思議な家系です。移転価格・組織再編・タックスヘイブンに強みがあります。ついついブログの投稿とダイエットは3日坊主です(笑)