プロレド・パートナーズ(7034)上場(ipo)!!|目論見書等から分かる今後の行方

2018年7月27日に上場するプロレド・パートナーズ。同社は、戦略コンサルティングファームで提供されている主な経営コンサルティングをパッケージ化し、企業再生ファンドや大手・上場企業に成果報酬型のコンサルティングサービスを提供しています。

出典:同社HP

同社のIPOに至るまでの軌跡と今後の展開について目論見書等から探っていきます。


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概要

ファンダメンタルズ

過去5年間の業績推移と直近四半期から推計した業績をもとに簡易的に分析した結果です。

競合他社の状況

コンサルティング関連銘柄の直近(執筆時6/26)のファンダメンタルズによると、コンサルティング関連銘柄は他業種に比べ、PER、PBR共に平均的な業種といえます。

経営コンサルティングを中心に事業を行う企業は、新興市場にはほぼありませんでした。競合他社との比較分析は十分にできませんでしたが、想定価格は割と強めに出しているので、あまり割安感はありません。

出典:Kabutan

IPOスケジュール

抽選申し込み期間:7/10(火)~7/17(火)

当選発表日:7/18(水)

購入申込期間:7/19(木)~7/26(木)

上場日:7/27(金)

評価

総合評価:43点/60点 C

短期の変動で利益を狙うよりも、長期安定的な値上がりを狙う中長期戦略の投資に向いている銘柄といえます。

業種:7点/10点

コンサルティング関連銘柄はPER、PBRともに幅広く、業種によって株価が割高になったり割安になったりする面が小さく、実力通りの株価が形成されるものと考えられます。

事業規模:6点/10点

売上高は10億円あり、上場時の売上高としては少し小さい規模でしょうか。通期予想でも売上20億円弱で推移しています。

収益性:10点/10点

直近四半期の経常利益率は48%と高い収益性を確保しています。過去の経常利益率も概ね10%を超えており、収益性の観点からは非常に魅力的です。成果報酬型の報酬体系により、高い成果に応じた報酬の上振れ部分が大きく貢献しているものと考えられます。

ビジネスリスク:7点/10点

景気の低迷期には、コンサルティングにかかるクライアントの予算は真っ先に削減されますので、サービスの質が一定でも収益性が悪化します。人「財」ビジネスである以上、景気低迷→予算縮小→人員あまり→リストラの負のスパイラルに陥ると建て直しが容易ではありません。とはいえ、ターンアラウンド(事業再生)もサービスラインにありますので、景気低迷期にも極端な受注減にはならないと考えられます。

将来ビジョン:7点/10点

事業拡大のためのコンサルタント増員や海外進出を予定しています。メルカリのように既に海外進出を進めている段階と異なり、将来ビジョンはまだ「ふわっ」としています。目下はコンサルタントの増員と教育でしょうか。システム構築費用の850百万円は、人海戦術ビジネスを超えた新しい価値を生み、どこまで他社と差別化できるのか、中長期的な視野では気になるところです。

希少性:6点/10点

オーバーアロットメントを含むipoでの当選株数は713,000株(売買単位100株)。当たりは7,130枚と当選本数は多めです。希少性の高い銘柄は初値が騰がりやすく期待できますが、本件ipoはあまり期待できません。

評価ランク

A評価:54~60点

B評価:48~53点

C評価:42点~47点

D評価以下:~41点

詳細

証券情報

市場からの調達規模

市場からの調達は、公募465,000株、売出155,000株、オーバーアロットメントによる売出93,000株の合計713,000株を最大で調達します。募集の条件はブックビルディング方式です。

株式の引受け

株式の引受けは、みずほ証券、SMBC日興証券、SBI証券、東海東京証券、岡三証券などです。

ロックアップ

ロックアップ期間は180日で、詳細は以下のとおり目論見書から抜粋します。

売出人である佐谷進及び山本卓司並びに当社株主である株式会社SHINKインベストメント及び株式会社カプセルコーポレーションは、主幹事会社に対し、元引受契約締結日から上場日(当日を含む)後180日目(平成31年1月22日)までの期間(以下、「ロックアップ期間」という。)、主幹事会社の事前の書面による同意なしには、当社普通株式の売却等(ただし、引受人の買取引受による売出し、オーバーアロットメントによる売り出しのために当社普通株式を貸渡すこと等を除く。)を行わない旨合意しております。

調達資金の使途

・事業及び人員拡大に伴う本社移転に係る資金567百万円(設備資金334百万円、賃料増加分の運転資金232百万円)。

・品質向上を目的とした新規コンサルティングサービスのシステム構築費用850百万円

・海外進出調査費42百万円

企業情報

セグメント情報

同社は、コンサルティング事業の単一セグメントです。

事業等のリスク

同社が認識している事業等のリスクは、目論見書に記載されています。

・成果報酬型の報酬

・競合/人材の確保

・代表取締役への依存 など

中でも気になる点は、「成果報酬型の報酬」と「競合/人材の確保」の箇所でしょうか。

成果報酬型の報酬体系は、タイムチャージする一般的なコンサルティングサービスと異なり、想定した成果を上げられなければ、十分な収益が得られないリスクがあります。規模拡大に向けて上場後は人材を多数確保することになります。従来と同じような高品質なコンサルティングサービスを規模を拡大しても提供できるかについては、不透明な部分も大きいでしょう。

従業員の状況では、従業員数72名、平均年齢31.6歳、平均勤続年数1.9年、平均年間給与6,052千円と開示されています。優秀な人材を獲得する上で、経営コンサルティングを扱う業種としては、平均給与がかなり低い点が懸念されます。

例えばGCAサヴィアンや日本M&Aセンターなどは、平均年収が1,300万円を超えており、こうしたプロフェッショナルファームと比べると半分以下の報酬です(平均年齢も大きく相違しない)。少人数であれば少数精鋭で尖ったことが可能ですが、一定の規模を超えてくると、プロフェッショナルファームの人海戦術ビジネスは、どうしても人の取り合い問題がついて回るでしょう。

研究開発活動

コンサルティング事業で該当なしです。

設備の状況

本社の事務所用設備20百万円が主要な設備。製造業ではなく固定資産はほとんどありません。

経理の状況

進行期の貸借対照表及び損益計算書の状況です。

 

ストックオプションの状況

新株予約権の目的となる株式数は、以下のとおりです。

第2回新株予約権:99,700株(行使価額269円)

第3回新株予約権:24,600株(行使価額269円)

合計124,300株

上場後の発行済み株式総数2,583,400株に占める割合は、4.8%と重要ではありません。SOによる希薄化効果はあまり考慮に入れる必要はなさそうです。

大株主の状況

最後に大株主の状況を確認しましょう。株式会社SHINKインベストメントと株式会社カプセルコーポレーションは、役員等により総株主等の議決権の過半数を所有されている会社ですので、実質オーナーの資産管理会社と見て間違いないかと思います。

ファンドや事業会社がほとんど入っていないことが特徴的です。ファンドにせっつかれて無理やり上場といったケースではない点は安心できる材料だと思います(機関による爆上げも期待できないけれど)。

ABOUTこの記事をかいた人

東京都で働く公認会計士・税理士です。祖父・父親・叔父・弟も公認会計士や税理士の不思議な家系です。移転価格・組織再編・タックスヘイブンに強みがあります。ついついブログの投稿とダイエットは3日坊主です(笑)