エクスモーション(4394)上場(ipo)!|目論見書等から分かる今後の行方

2018年7月26日に上場するエクスモーション。同社は、自動車業界向けにモデリング技術を中心としたソストウェアの設計技術に特化したコンサルティングサービスを提供しています。

出典:同社目論見書、HP

伝統的な不動産売買・仲介ビジネスを流行りのITプラットフォームビジネスにのせた事業内容です。集客にITプラットフォームを利用し、更に自社からエージェントと呼ばれる担当者を介在させることで、高い成約率に繋げています。

同社のIPOに至るまでの軌跡と今後の展開について目論見書等から探っていきます。


(参考記事)

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概要

ファンダメンタルズ

過去5年間の業績推移と直近四半期から推計した業績をもとに簡易的に分析した結果です。

競合他社の状況

コンサルティング関連銘柄の直近(執筆時7/18)のファンダメンタルズによると、コンサルティング関連銘柄は他業種に比べ、PER、PBR共にやや低めです(一部飛びぬけていますが)。

エクスモーションの想定されるPERとPBRは、やや強めに公募価格を出しているので、あまり割安感はありません。

出典:Kabutan

IPOスケジュール

抽選申し込み期間:7/9(月)~7/13(金)

当選発表日:7/17(火)

購入申込期間:7/19(木)~7/24(火)

上場日:7/26(木)

評価

総合評価:45点/60点 C

クライアントを自動車業界を中心に絞り、さらにコンサルティングをソフトウェアの設計に絞ることで、差別化に成功し収益性は非常に高い点が特長的です。

ただし売上高の成長はここ2~3年であまり大きくなく、また自動車業界自体が今後不透明な要素が強く、今後の「期待値」という点で今のところあまり多くを望めません。

一方で公募・売出の枚数自体は少なく希少性が高いことから初値が公募割れするようなリスクは少ないといえます。

評価ランク

A評価:54~60点

B評価:48~53点

C評価:42点~47点

D評価以下:~41点

詳細

証券情報

市場からの調達規模

市場からの調達は、公募200,000株、売り出し218,600株の合計418,600株を調達します。募集の条件はブックビルディング方式です。

株式の引受け

株式の引受けは、SBI証券、みずほ証券、SMBC日興証券、岡三証券、マネックス証券などです。

ロックアップ

・株式会社ソルクシーズ、渡辺博之、芳村美紀、井山幸次:

ロックアップ期間90日。

調達資金の使途

①人材採用費及び人件費:451百万円

②社内教育にかかる研修費:26百万円

③ブランディングにかかる広告宣伝費:22百万円

④セキュリティルーム等拠点にかかる賃料17百万円

⑤コンサルティングツールに係るソフトウェア開発費用93百万円

⑥業務効率化のためのシステム導入費用42百万円

⑦オフィス増床費用60百万円

企業情報

セグメント情報

同社は、コンサルティング事業の単一セグメントです。

事業等のリスク

同社が認識している事業等のリスクは、目論見書に記載されています。

・特定業界への依存

・特定顧客への依存

・要因の確保

・情報漏洩リスク

・新技術への対応に関するリスク など

特定業界への依存については、同社の売上高の90%超を自動車業界が占めています。自動車業界が推進する自動運転等の技術や開発現場で起こる問題点等に対して、同社の提案や支援が求められているものの、技術開発が一段落したり、現場支援のニーズが減少した場合には、業績に大きな影響を与えるリスクがあります。

また同社の売上高の取引先上位2社の占める割合は、全売上高の53%を占めています。当該2社とも自動車業界に属しており、技術支援や現場支援のニーズが減少した場合には、業績に大きな影響を与えるリスクがあります。

研究開発活動

特記するものはありません。

設備の状況

本社の事務所用設備36百万円が主要な設備。製造業ではなく固定資産はほとんどありません。今後ソフトウェア開発関係の支出で100百万円超を予定していますが、その大半は上場で得た資金で充当する予定です。

経理の状況

進行期の貸借対照表及び損益計算書の状況です。

売上総利益率44.8%、営業利益率23.7%の超がつく収益性の高さがまず目につきます。販売費及び一般管理費の主な内訳をみると、役員報酬、給料及び手当、支払手数料の順になっていますから、広告宣伝費や減価償却費といった設備にかかるコストがない点が高い収益力を産む源泉になっています。

一方でコンサルティング業界の特質上、景気の良い時にはクライアントの予算がはずみ、景気が悪くなると予算がつかなくなり、価格競争に陥りやすい側面があります。景気の後退期において他の同業他社と比べてどれだけ差別化できているかが、浮彫りになりそうです。

収益性が高い一方で、売上の成長率はあまり大きくありませんから、自動車業界以外への進出や自動車業界での新規クライアントの獲得といった受注戦略も今後経営の鍵となってくるでしょう。

ストックオプションの状況

新株予約権の目的となる株式数は、以下のとおりです。

第1回新株予約権:65,000株(行使価額300円)

第2回新株予約権:49,100株(行使価額300円)

第3回新株予約権:100,000株(行使価額300円)

合計214,100株

上場後の発行済み株式総数1,464,100株に占める割合は、少し14.6%と高めです。希薄化効果はそれなりに気にする必要があるでしょう。

大株主の状況

最後に大株主の状況を確認しましょう。株式会社ソルクシーズが発行済み株式総数の71%を占める親会社です。
同社はシステムインテグレート事業を行っており、東証1部に上場しています。

その他顧問税理士が大株主にいますが、この方にはロックアップがかかっていないんですよね。すぐに売り飛ばすなんてことはないんでしょうけども。

Junichi税理士
公募価格3,340円で換算してSOと合わせて200,000株保有してますから、6億6千万円にもなります。 うちの事務所もかくありたいですね・・・

ABOUTこの記事をかいた人

東京都で働く公認会計士・税理士です。祖父・父親・叔父・弟も公認会計士や税理士の不思議な家系です。移転価格・組織再編・タックスヘイブンに強みがあります。ついついブログの投稿とダイエットは3日坊主です(笑)