システムサポート(4396)上場(ipo)!|目論見書等から分かる今後の行方

2018年8月2日に上場するシステムサポート。同社は、ITシステム開発、データベース(Oracle)やクラウド(AWS/Azure)の移行・基盤構築、ERP(SAP)の導入・運用保守、データセンター運営、自社パッケージソフトの開発・販売を行っています。

出典:同社目論見書、HP

ITシステム開発、データベース(Oracle)やクラウド(AWS/Azure)の移行・基盤構築などを行っている同社の業種は「IT×クラウド」でIPO市場において、初値が高騰しやすい傾向にあります。

そんな同社のIPOに至るまでの軌跡と今後の展開について目論見書等から探っていきましょう。


(参考記事)

メルカリ mervari(4385)上場!| 目論見書から分かる今後の行方

MTG(7806)上場!| 目論見書から分かる今後の行方


概要

ファンダメンタルズ

過去5年間の業績推移と直近四半期から推計した業績をもとに簡易的に分析した結果です。なお連結財務諸表がない期間については、単体の財務諸表で代替しています。

競合他社の状況

情報通信関連銘柄の直近(執筆時7/21)のファンダメンタルズによると、情報通信銘柄は他業種に比べ、PER、PBR共に高めです。

中でもZUU、エーアイ、ロジザードなど直近で上場した銘柄のうち、PERが100倍前後と好調な銘柄が多いこともプラス材料です。情報通信業の中でも、「ITプラットフォーム」、「AI」、「クラウド」などは高騰につながりやすいキーワードです。

システムサポートの想定されるPERとPBRは、概ね競合他社のPERとPBRよりもかなり低いレンジにあり割安です。現状の収益性の低さが気になるところではありますが、今後の成長ストーリーがうまく示されれば、おもしろい銘柄だと思います。

出典:Kabutan

IPOスケジュール

抽選申し込み期間:7/17(火)~7/23(月)

当選発表日:7/24(火)

購入申込期間:7/25(水)~7/30(月)

上場日:8/2(木)

評価

総合評価:42点/60点 C

業種自体は、「クラウド」といったIPO市場で人気が出やすい銘柄の業種に帰属していますが、一方で現状の収益性には課題が残ります。また将来の成長ストーリーも明確ではなく、爆発的な成長を期待できる状況に現状ありません。くわえて公募・売出の枚数は多く、希少性も高くありません。

ただし現状のPERとPBRは、同業他社と比べて割安です。底堅いビジネスモデルではあるので、IPO後の株価をにらんで、投資していくのはありかなと考えます。

評価ランク

A評価:54~60点

B評価:48~53点

C評価:42点~47点

D評価以下:~41点

詳細

証券情報

市場からの調達規模

市場からの調達は、公募540,000株、売り出し207,500株の合計747,500株を調達します。募集の条件はブックビルディング方式です。

株式の引受け

株式の引受けは、大和証券、野村証券、今村証券、SBI証券です。

ロックアップ

・システムサポート従業員持株会、一般社団法人小清水の会、上岸弘和、小清水明子、能登満、小清水良次、鈴木憲二、山下崇文、森田直幸

ロックアップ期間90日。なお1.5倍の解除制限あり。

・高井 健司

ロックアップ期間90日。

調達資金の使途

①大阪支店移転に伴う設備投資:45百万円

②短期借入金の返済:980百万円

ほぼ全額が借入金の返済に充てられます。将来の成長に向けた積極的な投資に向ける資金がない点は、懸念材料です。

企業情報

セグメント情報

同社グループは、連結子会社6社で構成されており、「ソリューション事業」、「アウトソーシング事業」、「プロダクト事業」、の3つの事業セグメントを中心として、事業を展開しています。

事業等のリスク

同社が認識している事業等のリスクは、目論見書に記載されています。

・情報サービス産業における経営環境の変化

・システム開発受託契約の形態

・プロジェクトの採算性

・検収時期等の遅延 など

情報サービス産業においては、競合商品とのサービスや価格競争の激化、クラウド化などの急速な技術革新、顧客の属する業界の経営環境の変化等によって、業容やニーズの変化が続いています。こうした不確実性は同社の業績に大きく影響するリスクがあります。

またシステム開発受託契約について、顧客の個別ニーズに応じた受託開発を行っています。受託開発の契約形態は、技術者を派遣し、かかった工数をベースにして料金を請求する派遣契約と、同社グループが一括で開発を請け負う一括請負契約があります。ここで、一括請負契約においては、同社グループのコスト管理次第で利益率が大きく左右されるリスクがあります。

研究開発活動

同社グループでは、主にソフトウェア開発等の研究開発を行っています。ただし平成29年6月期において計上された研究開発費は3.7百万円と、規模は大きくありません。

設備の状況

自社利用ソフトウェアの開発を目的とした設備投資を継続的に実施する予定です。平成29年6月期に実施した設備投資の総額は189百万円であり、進行期の平成30年第3四半期において既に191百万円を投資しています。

経理の状況

進行期の貸借対照表及び損益計算書の状況です。

売上総利益率9.3%、営業利益率2.7%とあまり収益性は高くありません。特に売上総利益率の低さが顕著であり、to Bビジネスである以上、スケールメリットによって今後売上の爆発的な増加で回収できるといったシナリオも考えづらいところです。

セグメント情報を見ても、高収益や赤字といった特徴的なセグメントがありません。今後主要セグメントごとの成長ストーリーがマネジメントから明確に打ち出されないと、上場後の株価の上昇は見込めないでしょう。

ストックオプションの状況

ストックオプションの発行状況は以下のとおりです。

・第1回ストックオプション:目的となる株式数86,500株(行使価格159円)

ストックオプションの目的となる株式数は、上場後の発行済み株式総数2,506,500株の3.45%程度であり、希薄化効果は限定的です。

大株主の状況

最後に大株主の状況を確認しましょう。システムサポート従業員持株会が発行済み株式総数の37%を占めています。続いて社長の資産管理会社と考えられる一般社団法人小清水の会が20%を保有し、両者を合わせて発行済み株式の過半数を占めています。

事業会社やファンドなどは入っていません。

 

ABOUTこの記事をかいた人

東京都で働く公認会計士・税理士です。祖父・父親・叔父・弟も公認会計士や税理士の不思議な家系です。移転価格・組織再編・タックスヘイブンに強みがあります。ついついブログの投稿とダイエットは3日坊主です(笑)