ナルミヤ・インターナショナル(9275)上場(ipo)|目論見書から分かる今後の行方

2018年9月6日に上場するナルミヤ・インターナショナル。同社は、ベビー・子供服の企画販売を行うパイオニアとしてSPA形態をとりながら事業を展開しています。

出典:同社目論見書、HP

マザーズではなく東証2部に上場し、競争過多のアパレル業界で近年急激に力をつけています。なお前身の旧ナルミヤが2010年3月に上場廃止してから、約8年を経ての再上場です。

そんな同社のIPOに至るまでの軌跡と今後の展開について目論見書等から探っていきましょう。


(参考記事)

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概要

ファンダメンタルズ

過去5年間の業績推移と直近四半期から推計した業績をもとに簡易的に分析した結果です。

競合他社の状況

アパレル関連銘柄の直近(執筆時8/3)のファンダメンタルズによると、アパレル関連銘柄は他業種に比べ、PER、PBR共に低めです。

出典:Kabutan

IPOスケジュール

抽選申し込み期間:8/22(水)~8/28(火)

当選発表日:8/29(水)

購入申込期間:8/30(木)~9/4(火)

上場日:9/6(木)

評価

総合評価:41点/60点 D

業種自体は、伝統的なアパレル業界で真新しいものはありません。また今回のIPOでは大量の株式が売り出されていますから、希少性も高くありません。QBハウス同様に初値は厳しくなりそうだなという印象があります。

ただし、将来の成長ビジョンという意味では、E-コマースによる収益性の高いビジネスモデルへの取り組みやアジア市場への展開・インバウンドの取り込みなど、非常にイメージがつきやすい内容です。

したがって初値で飛びつかず、E-コマースや中国市場の動向を見ながら、投資の判断をしていきたい銘柄です。

評価ランク

A評価:54~60点

B評価:48~53点

C評価:42点~47点

D評価以下:~41点

詳細

証券情報

市場からの調達規模

市場からの調達は、公募282,500株、売り出し(OA含む)5,707,700株の合計5,990,200株を調達します。募集の条件はブックビルディング方式です。

株式の引受け

株式の引受けは、SMBC日興証券、大和証券、野村證券、みずほ証券、東海東京証券、SBI証券です。

ロックアップ

・日本産業第四号投資事業有限責任組合、Shepherds Hill Fund Ⅱ, L.P.、Manaslu Fund Ⅱ, L.P.、Sonora Fund Ⅱ, L.P.

ロックアップ期間90日。なお1.5倍の解除制限なし。

調達資金の使途

①新規出店の設備投資資金:195百万円

平成32年2月期出店予定の店舗のうち13店舗が該当します。

②システム開発資金:150百万円

CRM強化のための新ECシステム開発資金、物流センター及び直営店舗の業務効率の向上を目的としたRFIDの導入及び基幹システムの更新資金に利用する予定です。

企業情報

セグメント情報

同社は、ベビー・子供服の企画販売事業の単一セグメントです。

事業等のリスク

同社が認識している事業等のリスクは、目論見書に記載されています。

・流行や景気の変動

・気象状況

・少子化 など

同社は、流行の変化が速く、商品のライフサイクルが短いファッション衣料業界に属しています。同社の商品は0歳から13歳のベビー・トドラー、ジュニア向けにマルチブランドのファッションを提供しており、お子様の成長とともに長期にわたってご愛用いただく優良顧客を創出することがビジネスの基本です。しかしながら、消費者の嗜好に合致した商品を提供できない場合や景気の変動による個人消費の低迷の影響を受けて、販売不振となった場合には、同社の業績に影響を及ぼすリスクがあります。

また冷夏暖冬など天候不順及び地震や台風などの予測できない気候状況により、セール時期等の販売が伸び悩み、同社の業績に影響を及ぼすリスクがあります。

さらに今後も少子化傾向が続くことにより、企業間競争はより厳しいものとなると想定され同社の業績に影響を及ぼすリスクがあります。

研究開発活動

該当事項はありません。

設備の状況

店舗設備等で1,026百万円程度であり、減価償却費負担はそれなりに大きくなります。また今回の上場で得た資金を更なる店舗の出店に使用するため、償却費負担の増加はある程度見込むべきでしょう。さらにe-コマースへのシステム投資も行いますから、積極的な投資活動を進めていきます。

経理の状況

進行期の貸借対照表及び損益計算書の状況です。

売上総利益率53.4%、営業利益率5.2%と収益性はまずますです。インターネットを利用したマーケットプレイス事業に注力するような企業と比べると見劣りしますが、伝統的なアパレル業界の中で、一定の営業利益を稼得出来ている点は、評価できると思います。

販売費及び一般管理費の内訳を見ると、給与手当と店舗にかかる地代家賃がその多くを占めていることが分かります。固定費が大きいのが懸念ですね。成長オプションであるE-コマースがうまく機能してくるようになれば、人や店舗にかかるコストが削減できます。

ZOZOタウンといったマーケットプレイスを利用せずとも、自社メディアで集客できる「ブランド作り」が今後の課題となってくるでしょう。

ストックオプションの状況

ストックオプションの発行状況は以下のとおりです。

・第1回ストックオプション:目的となる株式数216,000株(行使価格334円)

ストックオプションの目的となる株式数は、上場後の発行済み株式総数10,122,830株の2.1%程度であり、希薄化効果はあまり考慮に入れる必要はありません。

大株主の状況

最後に大株主の状況を確認しましょう。

ファンドが4つがっつり入っていますね(笑)ロックアップ期間は90日で、1.5倍のトリガー条項はついていません。ロックアップ期間明けは一定の売り圧力になるでしょう。

ABOUTこの記事をかいた人

東京都で働く公認会計士・税理士です。祖父・父親・叔父・弟も公認会計士や税理士の不思議な家系です。移転価格・組織再編・タックスヘイブンに強みがあります。ついついブログの投稿とダイエットは3日坊主です(笑)