アズーム(3496)上場(ipo)|目論見書等から分かる今後の行方

2018年9月20日に上場するアズーム。同社は、月極駐車場紹介サービスおよび月極駐車場サブリースサービスを行っております。

出典:同社目論見書、HP

同社のIPOに至るまでの軌跡と今後の展開について目論見書等から探っていきます。

概要

ファンダメンタルズ

過去5年間の業績推移と直近四半期から推計した業績をもとに簡易的に分析した結果です。

競合他社の状況

不動産関連銘柄の直近(執筆時9/10)のファンダメンタルズによると、不動産関連銘柄は他業種に比べ、PER、PBR共に低いです。

とはいえ、直近で上場したGAテクノロジー(3491)などは、初値が高騰し以後も高いPERを維持しています。GAテクノロジーは、RenosyといったITプラットフォームが評価されての株価だと思われますので、不動産×ITといった独自のポジションを市場で築くor築く可能性のある企業は高く評価される傾向にあるようです。

この点不動産×ITについて、同社は積極的にアピールしています。

出典:Kabutan

IPOスケジュール

抽選申し込み期間:9/3(月)~9/7(金)

当選発表日:9/10(月)

購入申込期間:9/11(火)~9/14(金)

上場日:9/20(木)

所感

想定価額2,900円で試算すると、PERが39倍と同業種と比べて割高です。TATERUショックの傷も癒えない中で、初値を期待するのは難しい状況でしょう。

またPLに目を落としてみると、現状営業利益ベースで2億円程度の利益しかありません。上場後に採用費、人件費、広告宣伝費で5億円強が費用として計上されますから、これに見合う売上の成長がないと、再び赤字に転落するリスクがあります。市場規模が限られる中で、大きくマーケットシェアを今後も伸ばせるか、慎重に判断する必要があります。

詳細

証券情報

市場からの調達規模

市場からの調達は、公募250,000株、売り出し(OA含む)66,200株の合計316,200株を調達します。募集の条件はブックビルディング方式です。

株式の引受け

株式の引受けは、みずほ証券、SBI証券、東海東京証券、マネックス証券、エース証券、極東証券です。

ロックアップ

・菅田 洋司、(株)パノラマ、鈴木 雄也、高橋 崇晃、立川 健悟、櫛田 邦男、眞鍋 隆司、(有)ヒフミ・コンサルティング、倉島 文雄

ロックアップ期間90日(1.5倍の解除制限あり)。

・SMBCベンチャーキャピタル3号投資事業有限責任組合

ロックアップなし。

調達資金の使途

遊休不動産活用事業拡大のため、駐車場管理システムの増強、駐車場コンバーターシステムの開発及び駐車場サービス以外のシステム開発資金として135百万円、事業拡大のための採用費として71百万円、増加した人員に対する人件費として291百万円、広告宣伝費として162百万円に充当する予定です。

企業情報

セグメント情報

同社は、遊休不動産活用事業の単一セグメントです。ただしサービス区分別の売上実績も開示されています。これによると月極駐車場サブリースサービスの売上が突出しています。

事業等のリスク

同社が認識している事業等のリスクは、目論見書に記載されています。

・法的規制

・駐車場需要の減少

・競合 など

今後、都市部の自動車利用の制限につながるような法改正等がなされ、駐車場需要が減少した場合には、同社の業績に影響を与える可能性があります。

またガソリン価格の急騰等により、国内の自動車保有台数が急激に減少するなどの外部要因により駐車場需要が急激に減少することとなった場合、同社の業績に影響を与える可能性があります。

くわえて月極駐車場紹介サービス及び月極駐車場サブリースサービスそれぞれにおいて、資本力を有する企業が新規参入した場合や競合他社の増加によるユーザー獲得競争が激化した場合には、紹介手数料や貸出価格における価格競争、及びユーザー獲得コストの増加等によって、同社の業績に影響を与える可能性があります。

研究開発活動

該当事項はありません。

設備の状況

設備は本社の建物附属設備とソフトウェアが大半で金額的に重要な固定資産はありません。

経理の状況

進行期の貸借対照表及び損益計算書の状況です。

直近四半期では、売上総利益率46.0%、営業利益率9.9%と収益性があがり、黒字化してきました。今後もマーケットシェアをどれだけ伸ばせるかが収益性の鍵を握りそうです。市場がニッチなので、大手の参入は現状ありませんが、今後大手が参入してきても戦えるような参入障壁をいかに築くかという点にも注目する必要があります。

ストックオプションの状況

ストックオプションの発行状況は以下のとおりです。

・第1回ストックオプション:目的となる株式数15,200株(行使価格430円)

・第2回ストックオプション:目的となる株式数17,300株(行使価格103円)

・第3回ストックオプション:目的となる株式数2,400株(行使価格103円)

・第4回ストックオプション:目的となる株式数21,700株(行使価格600円)

合計56,600株

ストックオプションの目的となる株式数は、発行済み株式数の10%未満であり、希薄化効果はそれほどありません。

大株主の状況

最後に大株主の状況を確認しましょう。

役員の関連会社である株式会社パノラマと社長とを合わせて過半数の株式を持っています。

ファンドに目を移すと、SMBCベンチャーキャピタルが入っていますね。ただし持ち株比率は4.37%と大きくありませんので、上場後の市場に与える影響は限定的でしょう。

ABOUTこの記事をかいた人

東京都で働く公認会計士・税理士です。祖父・父親・叔父・弟も公認会計士や税理士の不思議な家系です。移転価格・組織再編・タックスヘイブンに強みがあります。ついついブログの投稿とダイエットは3日坊主です(笑)