ブロードバンドセキュリティ(4398)上場(ipo)|目論見書等から分かる今後の行方

2018年9月26日に上場するブロードバンドセキュリティ。同社は、「セキュリティ監査・コンサルティングサービス、脆弱性診断サービス、情報漏洩IT対策サービス、(マネージドサービス、セキュアメールサービス、マルウェア検知サービス、フォレンジックサービス他)」を事業展開しています。

出典:同社目論見書、HP

同社のIPOに至るまでの軌跡と今後の展開について目論見書等から探っていきます。

概要

ファンダメンタルズ

過去5年間の業績推移と直近四半期から推計した業績をもとに簡易的に分析した結果です。

競合他社の状況

サイバーセキュリティ関連銘柄の直近(執筆時9/15)のファンダメンタルズによると、サイバーセキュリティ関連銘柄は他業種に比べ、成長企業が多くPER、PBR共に高い傾向にあります。

出典:Kabutan

IPOスケジュール

抽選申し込み期間:9/5(水)~9/11(火)

当選発表日:9/12(水)

購入申込期間:9/13(木)~9/19(水)

上場日:9/26(水)

所感

想定価額800円で試算すると、PERが14倍と同業種と比べて割安です。成長戦略という意味では材料に少し乏しいですが、数字は順調についてきていますし、大株主にいるSBIのECソリューションサービスとのシナジー効果を今後も期待できます。

需給の面でも805,000株は気にするほどではありませんから、初値は公募価格を大きく上回りそうです。

証券情報

市場からの調達規模

市場からの調達は、公募400,000株、売り出し(OA含む)405,000株の合計805,000株を調達します。募集の条件はブックビルディング方式です。

株式の引受け

株式の引受けは、みずほ証券、SBI証券です。

ロックアップ

※()内は株式保有比率

・SBIインキュベーション(株)(48.36%)、SBI FinTech Solutions (株)(26.78%)

ロックアップ期間90日(1.5倍の解除制限あり)。

・持塚 朗(11.28%)

ロックアップ期間90日。

資金調達の使途

①人材の採用・育成等に係る採用・教育費、及び人件費、②業務効率化のためのシステム開発等の費用に充当する予定です。

事業等のリスク

・低価格化の進展

・技術革新への対応

・製品のバグや欠陥 など

セキュリティ市場の販売価格は、ここ数年間で低下しています。競合他社との兼ね合いや顧客要請によるものであり、技術者の生産性の向上やクラウドワービス化を推進して技術者に依存しないサービスの開発等、低価格でも利益の確保が可能な対応を進めているものの、採算の確保が間に合わない場合には、今後の事業展開、経営成績や財務状況に影響を及ぼすリスクがあります。

また昨今では、標的型メール攻撃と呼ばれる攻撃手法やランサムウェアなどが出現してきましたが、それらの防御の為の新しいサービスを都度考案したり、最新技術をサービスに取り入れることが、より良い品質提供には不可欠です。それらの最新技術への対応が遅れ、他社に大きく先行された場合には、経営成績や財務状況に影響を及ぼすリスクがあります。

セグメント情報

同社のセグメントは、セキュリティサービスの単一セグメントです。

サービス別に内訳をみると、①セキュリティ監査・コンサルティングサービス②脆弱性診断サービス③情報漏洩IT対策サービスの3つに分かれます。

中でも情報漏洩IT対策サービスが売上の過半数を占め、これが同社の根幹といえるビジネスです。

研究開発活動

該当事項はありません。

設備の状況

設備は、各社サーバなどのソフトウェアに加え、ハード(器具備品)が多く、一部リースによる調達も行っています。

経理の状況

進行期の貸借対照表及び損益計算書の状況です。

直近四半期では、売上総利益率24.3%、営業利益率7.3%を計上しています。他のIPO銘柄にあるような際立った収益性の高さはありませんが、競合が多い中一定の利益率を確保できていることは安心できる材料です。売上高も堅調に推移しています。

ストックオプションの状況

ストックオプションの発行状況は以下のとおりです。

・第12回ストックオプション:目的となる株式数144,000株(行使価格800円)

合計144,000株

ストックオプションの目的となる株式数は、発行済み株式数の10%未満であり、希薄化効果はそれほどありません。

大株主の状況

最後に大株主の状況を確認しましょう。

筆頭株主は、SBIインキュベーション、次にSBI FinTech SolutionsとSBIグループが全体の80%近くを占めます。SBIの連結子会社ですので、市場で持ち株の大半を売却することはないでしょう。

SBIグループの出資の目的は、2015年に株式を追加取得した際のプレスリリースに記載があります。

(株式追加取得の目的)

BBSecは、ITセキュリティの診断・運用・保守・デジタルフォレンジックを手掛けるセキュリティ分野の専門企業として、高い技術力と豊富な経験を保有しております。

当社は、主力EC事業者向けサービスである「決済サービス」、「集客支援サービス」に「ITセキュリティサービス」を加えた、信用性・利便性の高い総合的なECソリューションサービスを提供することを目的として、2014年6月16日にBBSecと資本・業務提携契約を締結いたしました。

BBSecとの協業は順調に進展しており、BBSecの持つ経営資源を最大限に活用することでさらなるシナジーの創出を目指すため、この度の株式追加取得を決定し、当社の持分法適用関連会社とすることといたしました。今後、新たに当社グループの一員となるBBSecとより強固な協業関係を構築し、グループ一丸となってEC市場での競争力を強化することで、さらなる企業価値の向上に努めてまいります。

出典:SBI Holdings HP

他には、三井物産セキュアディレクション株式会社やシステムプラザ株式会社など事業会社からの出資を多く受けていることが分かります。なおSBIグループと社長とで90%以上を占めていますから、あまり所有株式割合は高くありません。

ABOUTこの記事をかいた人

東京都で働く公認会計士・税理士です。祖父・父親・叔父・弟も公認会計士や税理士の不思議な家系です。移転価格・組織再編・タックスヘイブンに強みがあります。ついついブログの投稿とダイエットは3日坊主です(笑)