極東産機(6233)上場(ipo)|目論見書等から分かる今後の行方

2018年9月27日に上場する極東産機。同社は、自動壁紙糊付機・コンピュータ式畳製造装置などの自動化・省力化機器、顧客仕様による各種産業機器、特殊機能畳などの開発・販売、内装施工工具などのカタログ販売を行っています。

出典:同社目論見書、HP

同社のIPOに至るまでの軌跡と今後の展開について目論見書等から探っていきます。

概要

ファンダメンタルズ

過去5年間の業績推移と直近四半期から推計した業績をもとに簡易的に分析した結果です。

競合他社の状況

機械関連銘柄の直近(執筆時9/16)のファンダメンタルズによると、機械関連銘柄は他業種に比べ、PER、PBR共に低い傾向にあります。

出典:Kabutan

IPOスケジュール

抽選申し込み期間:9/10(月)~9/14(金)

当選発表日:9/18(火)

購入申込期間:9/19(水)~9/25(火)

上場日:9/27(木)

所感

想定価額395円で試算すると、PERが9倍、PBRは1倍未満と同業種と比べて割安です。

需給の面では公募・売り出し合わせて1,196,000株は少し厳しめですね。需給面での厳しさを考慮にいれて想定価額を低めに設定したのでしょうか。

数字は売上・利益ともに爆発的な成長はありませんが、堅調で地に足がついた業績で安心感が持てます。

以上を勘案すると、初値は需給や機械株という点を考慮するとあまり期待できないかと思われますが、割安感が他の銘柄と比べて大きいので、中長期で投資するには魅力的な銘柄ではないでしょうか。

証券情報

市場からの調達規模

市場からの調達は、公募1,000,000株、売り出し(OA含む)196,000株の合計1,196,000株を調達します。募集の条件はブックビルディング方式です。

株式の引受け

株式の引受けは、SMBC日興証券、岩井コスモ証券、エース証券、極東証券、SBI証券です。

ロックアップ

※()内は株式保有比率

・頃安 憲司(19.20%)、三井住友信託銀行(株) 信託口(14.17%)、頃安 英毅(11.81%)、大阪中小企業投資育成(株)(8.50%)、極東産機従業員持株会(8.22%)、頃安 雅樹(6.43%)、安積 美奈子(4.96%)、(株)三井住友銀行(4.96%)、(株)三菱UFJ銀行(3.78%)、松井 康明(1.63%)

ロックアップ期間180日。

資金調達の使途

設備資金、運転資金、借入金返済として充当する予定です。

①設備資金

・たつの市神岡向上の刷新201百万円(平成32年9月期)

・神岡工場ハイテク第2工場の建屋改修工事66百万円(平成31年9月期)

・クラウドシステムによる販売管理ソフト開発50百万円(平成31年9月期)

など

②運転資金

・人材採用紹介手数料6百万円

③借入金返済

・150百万円

事業等のリスク

・国内需要が減退するリスク

→新設住宅着工戸数の増減やリフォーム工事の動向等により受注状況が左右される傾向にある。

・和室の減少による畳需要減少リスク

→畳製造装置市場でトップシェアを維持していると推定されるが、住宅の中の和室に減少により、畳の需要が減少してきている。

・建物内装の工法変更のリスク など

→壁紙糊付機のマーケットで圧倒的なシェアを占めているが、壁紙貼り付け工法に変わる工法が出現した場合には、既存のマーケットの縮小が予想される。

その他、一部の商品について特定の仕入先に依存しているものがあり、こうした特定の仕入先が継続的かつ安定的に商品の供給を行えなくなった場合には、同社の事業展開及び業績に影響を及ぼすリスクがあります。

セグメント情報

同社のセグメントは、①プロフェッシナル事業、②コンシューマ事業、③インダストリー事業が中核になります。

中でもプロフェッシナル事業が売上全体の約75%を占めており、プロフェッシナル事業は、インテリア事業部門と畳事業部門で構成されています。

インテリア事業部門の主力製品は自動壁紙貼付機で、畳事業部門の主力製品は畳店向けに販売するコンピュータ式畳製造システムです。

研究開発活動

職人作業の省略化・自動化をモットーに、2年に一度は製品カタログを刷新するなど、積極的に研究開発を進めています。

設備の状況

設備は、各社サーバなどのソフトウェアに加え、ハード(器具備品)が多く、一部リースによる調達も行っています。

経理の状況

進行期の貸借対照表及び損益計算書の状況です。

直近四半期では、粗利率31.3%、経常利益率4.1%を計上しています。他のIPO銘柄にあるような際立った収益性の高さや売上高の成長はありません。

一方で国内トップシェアを誇る壁紙施工機器や畳製造機器などニッチな市場で安定的な業績を積み上げている点は安心感があります。

ストックオプションの状況

ストックオプションは発行していません。

大株主の状況

最後に大株主の状況を確認しましょう。

大株主は、創業一族である頃安家に加え、金融機関や大阪中小企業投資育成株式会社といったベンチャーキャピタルが入っています。オリックス株式会社以下ロックアップがかかっていません。

ABOUTこの記事をかいた人

東京都で働く公認会計士・税理士です。祖父・父親・叔父・弟も公認会計士や税理士の不思議な家系です。移転価格・組織再編・タックスヘイブンに強みがあります。ついついブログの投稿とダイエットは3日坊主です(笑)