いまさら聞けないふるさと納税の仕組み。2019年6月からどう変わる!?泉佐野市の行方は?

2019年6月からふるさと納税の内容が大きく変わります。
これは一部の自治体がふるさと納税本来の目的から逸脱した返礼品を送り
多額の寄付金を集めることが繰り返し行われていたためです。

業を煮やした総務省が一定の条件を満たさない自治体はふるさと納税の対象外とする対応を発表しました。

ふるさと納税の仕組み

ふるさと納税はどんな制度?

ふるさと納税は、応援したい地域へ自由に寄付できるようにという思いで始まりました。

例えば、

・自分が生まれ育った故郷へ恩返しを込めて寄付をしたい

・学生時代お世話になった地域を寄付で応援したい

このような時にふるさと納税を利用して、

今住んでいる地域に対する納税額の一部を寄付した地域へ振り替えることができる制度です。

この寄付は使い道を指定することもできます。

・子育てや教育支援の資金

・史跡や自然環境の保全

・商店街の活性化

といったスタンダードなものから、

・ウミガメの産卵地域保護

・都市部から地方への移住環境整備

など面白い使途もあり、

当初はこういった地域独自の活動を応援する意味合いが強い制度でした。

 

ところが、一部自治体がお礼にと始めた返礼品が徐々に広がり

ふるさと納税の目的が応援から返礼品をもらうことに変わっていったのです。

なぜお得なの?

ふるさと納税は寄付するとその金額に応じて返礼品をもらえるのが特徴です。

また返礼品に加えて所得税の還付と住民税の控除を受けることができます。

具体的に、所得税率20%の方が50,000円寄付した場合で考えてみましょう。

※寄付金の控除対象は、所得税の計算上寄付金額から2,000円を控除した金額となります。

所得税の還付

(寄付金額50,000円-2,000円)*所得税率20%=9,600円

住民税の控除

(寄付金額50,000円-2,000円)*(100%-所得税率20%)=38,400円

以上より、50,000円を払って48,000円が返ってくるので、実質負担が2,000円になります。

結論

したがってふるさと納税は限度額いっぱいまでは、実質負担が2,000円で済みますので、できる限り多くの寄付をしたほうがお得になります。

ふるさと納税サイト「ふるさとチョイス」で50,000円のお礼の品を探してみました。

こんなお肉が実質2,000円で・・・いいのでしょうか・・・

 

これだけお得な制度、他になかなかありません。

ふるさと納税はなぜ規制されることになったのか

使う側からすれば非常にお得なふるさと納税ですが、様々な問題も指摘されるようになりました。

地域の納税額に多額の格差が生じた

ふるさと納税の返礼品は基本的に地域の特産品です。

このため、特産品がたくさんある自治体とほとんどない自治体で寄付額に大きな差がでてしまいました。

ふるさと納税は納税先の付け替えであるため、魅力的な特産品が多い地域が少ない地域からふるさと納税分を吸い上げた結果、

税収が激増した自治体と激減した自治体ができてしまったのです。

納税額が大きいお金持ちほど得することへの不公平感

ふるさと納税の限度額は年収が大きいほどその効果は大きくなります。

例えば、独身の場合年収300万円だと限度額は約28,000円ですが、年収1,000万円だと約176,000円まで上がります。

そのため、同じ返礼品なのに

年収によってもらえる限度額が変わるという不公平が生じます。

趣旨を逸脱した返礼品合戦

今回規制されることになった一番の原因です。

人間誰でもお金を出すならなるべくお得なものに出したいと思うもの。自治体もそれを見越して、なるべく割のいい返礼品を提供するようになりました。

その中でも顕著だったのが食料品。

一時期は30,000円でお米60kgや国産ブランド牛2kgなど、実質2,000円負担ではありえないものが登場し、自治体間どころかこれらの商品を取り扱う一般企業にも影響が及ぶように。

さらに商品券や電化製品など地場産品ではないものを返礼品として提供する自治体も現れ、ふるさと納税本来の意図から大きく外れる制度となってしまいました。

このような状況に対し総務省は何度も警告をしたのですが、改善の傾向が見られないことから、制度を見直すこととなったのです。

2019年6月1日からどう変わる?

前述のとおりふるさと納税の使われ方が本来の目的と大きく変わる状況になったため、総務省は2019年6月1日よりふるさと納税の制度を下記のように変更することとなりました。

還元率30%以下の徹底

ふるさと納税が過当競争になった理由の一つに、返礼品の高額化(還元率の上昇)がありました。

返礼品はあくまでおまけであり、本来の目的である地域の応援にフォーカスする意味を込め、還元率の抑制を行います。

返礼品は地場産品に限る

これも還元率と同じ意味合いですね。

地場産品以外の返礼品がある自治体はふるさと納税の対象から外されます。

総務大臣がふるさと納税対象の自治体を指定する

今まではどの自治体もふるさと納税の対象となっていましたが、これからは総務大臣が指定した自治体のみがふるさと納税の対象となります。

今後ふるさと納税をするときにはその自治体がふるさと納税の対象かどうか調べることがとても重要になります。

せっかくふるさと納税をしたのに、その自治体が対象外だったということがないように十分注意しましょう。

執筆時時点でふるさと納税の対象から除外された自治体は以下のとおりです。

  1. 大阪府泉佐野市
  2. 静岡県小山町
  3. 和歌山県高野町
  4. 佐賀県都城町

上記4自治体は少なくとも2020年9月までふるさと納税の対象となる自治体から除外されることが決まっています。

なお返礼品にアマゾンギフト券を乱発するなど物議を醸してきた泉佐野市が今後総務省とどのように折り合いをつけていくのかについても注目が集まっています。

出典:泉佐野市ふるさと納税ポータルサイト

規制の詳細については、総務省のプレスリリースをご覧ください。

まとめ

これまで節税対策や家計の大きな助けとなっていたふるさと納税は、

2019年6月1日から大きな変化を迎えます。

ただ、それでも返礼品の魅力や寄付をする事自体の意義が大きく変わることはなく、新しい取り組みでふるさと納税を上手に活用する自治体も現れています。

例えば、祭りやイベントの協賛金をふるさと納税で募り返礼品として参加権や優待券をプレゼントする自治体や、寄付をした人に地元の魅力を体験できるエコツーリズムを企画している自治体など、面白い返礼品もどんどん登場しています。

ふるさと納税をきっかけに地域の新しい魅力を開拓する自治体が今後続々と現れることを期待したいです。

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東京都で働く公認会計士・税理士です。祖父・父親・叔父・弟も公認会計士や税理士の不思議な家系です。移転価格・組織再編・タックスヘイブンに強みがあります。ついついブログの投稿とダイエットは3日坊主です(笑)