税理士が選ぶフリーランス・副業の確定申告でよくある誤り5選

最近ではフリーランスという言葉もだいぶ身近なものになりました。また企業の「副業解禁」は年々増加してきており、若い世代を中心に会社員であっても副業で一定の所得を得ている人が増えてきています。

わたしたちの事務所でも個人事業主の方からの確定申告のご相談は開業当初と比べ大幅に増えてきており、時代の流れを感じています。

そんなフリーランスや会社員の副業にかかる確定申告について、税理士として遭遇したよくある誤りを5つほど選んでご紹介したいと思います。ご自身で確定申告する際のチェックポイントとして活用いただければ嬉しいです。

なお、確定申告とといった面倒な(?)作業は専門家に記帳代行からお願いして、事業に専念したいという方は、次の記事をご参照してみてください。

税理士にフリーランスは記帳代行を丸投げすべき理由

領収書などの整理方法

給与所得の合算漏れ

これは会社員の副業の方によくある間違いです。

会社が年末調整してくれているので、給与所得については、確定申告が必要なく、副業だけ申告すればOKと思っている方です。

確定申告は、給与所得に加え、副業(事業所得や雑所得等)にかかる所得を合算して、1年間の合計所得金額を計算し、所得税を算出します。

例えば、会社員で年収650万円(年末調整済)、副業の事業所得が100万円のケースで考えましょう。

ここで事業所得の100万円だけを申告しようとすると税率は5%ですので、納付すべき所得税は5万円です。

ただし本来給与所得と事業所得を合算して計算しなければいけませんので、副業にかかる税率は本来23%(給与650万円+副業100万円=750万円)です。この場合の納付すべき所得税は23万円です。※控除額は既に年末調整で織込済

上のケースでは、本来納めるべき23万円から既に納付した5万円を差し引いた18万円が申告漏れになってしまいます。この場合修正申告を行い、不足分を納税しなければいけません。

社会保険料の計上漏れ

これはフリーランス1年目の方に多くある間違いです。

退職時の源泉徴収票に記載された社会保険料の欄の金額は、社会保険料控除として所得から控除できますが、この処理を漏らしてしまうパターンです。

また国民年金や国民健康保険に切り替え後ご自身でお支払いされる国民年金や国民健康保険も社会保険料控除の対象になります。

両方処理が漏れる方はあまりいませんが、片方だけ計上して残りが未計上のケースはよくありますので、注意が必要な項目です。

売上の現金主義による計上

経費の現金主義については、税務署から指摘を受けることはほぼありませんが、売上の現金主義は税務調査でまず確認されるポイントです。

現金主義とは実際に口座に振り込まれたタイミングで売上計上する処理です。freeeやマネーフォワードといった銀行口座と連携するクラウド会計を使用している方に多い間違いです。

例えば請求日12/31(役務完了)、入金が翌1/31日の取引について、翌年の1/31日入金時に売上計上するような処理が現金主義に該当します。

本来は12/31と1/31に以下の処理を行う必要があります(発生主義)。

12/31 (借方)売掛金100万円/(貸方)売上100万円

1/31   (借方)普通預金100万円/(貸方)売掛金100万円

税務調査というと、イメージで経費計上の是非について気にされる方が多いですが、まずその前に売上計上漏れが確認されます。頭隠して尻隠さずでは本末転倒です。

医療費・住民税・社会保険の経費計上

これもよくある間違いです。最初の確定申告で間違うと、税務署から指摘がない限りずーっと間違い続けてしまう性質のものでもあるので、長年確定申告を自分でしているという方でも注意が必要です。

医療費は医療費控除で集計し申告、社会保険料は社会保険料控除で集計し申告、住民税はいずれも関係なしで処理しなければなりません。事業所得や雑所得の必要経費にはなりませんので注意が必要です。

なお個人事業税や固定資産税は経費計上可能な税目です。税目によって処理が異なりますので、この点は慎重に確認する必要があります。

期限後申告での青色申告特別控除65万円

3/15日の確定申告期限に間に合わなかった場合、青色申告特別控除の65万円は適用できず10万円の控除に留まります。

No.2072 青色申告特別控除

[平成31年4月1日現在法令等]

 青色申告者に対しては種々の特典がありますが、その一つに所得金額から最高65万円又は10万円を控除するという青色申告特別控除があります。

1 65万円の青色申告特別控除

この65万円の控除を受けるための要件は、次のようになっています。

(1) 不動産所得又は事業所得を生ずべき事業を営んでいること。

(2) これらの所得に係る取引を正規の簿記の原則(一般的には複式簿記)により記帳していること。

(3) (2)の記帳に基づいて作成した貸借対照表及び損益計算書を確定申告書に添付し、この控除の適用を受ける金額を記載して、法定申告期限内に提出すること。

出典:国税庁HP

以上の青色申告特別控除の要件のうち、「法定申告期限内に提出すること」の要件を充足しなくなることから、65万円の特別控除ができなくなります。

たった1日の違いで大きく世界が変わってしまいます。泣き言を言っても書類主義のお役所は情状酌量してくれません。必ず法定期限内に提出するようにしましょう。

まとめ

いかがだったでしょうか?「なんだそんなことかよ~」と思った方は安心ですが、「ドキッ」とした方もいるのではないでしょうか?

毎年確定申告している方であっても、今まで指摘されなかっただけで間違ったまま処理を進めてしまっていた可能性もあります。

時間がある時に普段からこまめに処理し、気になった点を確認するように習慣づけましょう。

ABOUTこの記事をかいた人

東京都で働く公認会計士・税理士です。祖父・父親・叔父・弟も公認会計士や税理士の不思議な家系です。移転価格・組織再編・タックスヘイブンに強みがあります。ついついブログの投稿とダイエットは3日坊主です(笑)