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2021.06.07
  • 会計税務顧問

投資に関して覚えておきたい用語(繰越損失・損益通算・総合課税・分離課税)を税理士が解説。

投資に関して覚えておきたい用語(繰越損失・損益通算・総合課税・分離課税)を税理士が解説。

投資をする上で重要な税金周りの用語として、繰越損失・損益通算・総合課税・分離課税があります。これらの用語を正しく理解して、投資戦略を練るか否かでパフォーマンスが大きく変わります。こうした用語について税理士が解説します。

Contents

繰越損失

損益の繰越は何年間繰り越せるの?答えは3年です。

図のように、2018年に投資が300万円の損失となりました。翌年2019年に投資は50万円の利益が出ました、損失を繰り越せばは結果250万円の損失となります。

さらに2020年の投資が100万円の利益を得、損失を繰り越せば150万円の損失となります。

もちろん3年間損失を繰り越すことができます。2021年の投資が160万円の利益を得て、損失の繰り越すことによって最終的に10万円の利益に対しての税金を抑えばいいことなります。

つまり株式投資の税金は投資によって得た利益から計算されるので、年間の投資利益が少なければ少ないほどかかる税金を減らすことができ、損失は3年間繰り越せるので節税することができます。

損益通算

図のように、例えばあなたが三つの証券会社を通して投資を行います。そのうちA証券会社で損失20万円となりました。一方BとC証券会社で利益を15万円を得ました。確定申告をすれば、三つの証券会社での損益は通算できます、通算すれば最終結果は5万円の損失となります。ただし、同じ年に生じたもののみとなります。

損失となったので、もちろん税金は0です。証券会社BとCで抑えた3万円の税金が確定申告をすれば戻ってきます。

総合課税

「総合課税」とは、他の所得と合算した総所得に基づき、所得税の税率を使って税額計算をする制度のことです。対象となる所得は利子所得、配当所得、不動産所得、事業所得、給与所得 、譲渡所得、一時所得、雑所得になります。

総合課税はの税率は固定ではないので、所得によって税率が上下に変動してしまいます(5%~45%)。仮想通貨の譲渡損失がある場合、雑所得同士で損益通算はできますが、給与所得、事業所得、不動産所得などとは合算することはできません。譲渡益が出た場合、損失の繰り越しができませんのでご注意ください。

例:雑所得で10万円の利益を得ました、総合所得が10万円増え、よって所得税と社保等も増加することになります。一方、仮想通貨で15万円の損失が出ました、損益通算すると5万円の損失となります。雑所得の10万円に対する税金は減免されますが、5万円の損失は給与所得との損益通算はできず、翌期への損益繰越もできません。

申告分離課税

申告分離課税は一定の所得については、他の所得金額と合計せず、分離して税額を計算し(この点が総合課税制度と異なります。)、確定申告によりその税額を納めることとなります(この点が源泉分離課税制度と異なります。)。

申告分離課税は総合課税とは違い、税率が固定されています(20.315%)。

例:先物取引で10万円利益を得て、確定申告すると2万円の税金が発生します。一方、山林所得で損失50万円となり、損益通算すると40万円の損失となりました。先物取引で得た10万円に対する税金が減免されるとともに40万円の損失が翌期に繰り越すことができます。

源泉分離課税

 

源泉分離課税制度とは、他の所得と全く分離して、所得を支払う者がその所得の支払の際に一定の税率で所得税を源泉徴収し、それだけで所得税の納税が完結するというものです。

申告分離課税と同じく、税率が固定されています(20.315%)。

源泉分離課税は1年を通して損益通算し、利益が出たら証券会社から源泉税が天引きされます。しかし、損失となる場合は、自分で損失繰越の申告をしなければならない。

まとめ

 

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