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事業再構築補助金ってどう申請するの?最大1億円の大型補助金を税理士が解説。
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事業再構築補助金の概要
事業再構築補助金は新型コロナウイルス感染症の影響が長期化し、当面の需要や売り上げの回復が期待しづらい中、新分野展開、事業転換、業種転換、業態転換、又は事業再編という思い切った事業再構築に意欲を有する中小企業等の挑戦を支援する補助金となります。条件によっては最大で1億円が補助される、大型補助金です。
新分野展開:中小企業等が主たる業種又は主たる事業を変更することなく、新たな製品等を製造等することにより、新たな市場に進出すること。
事業転換:中小企業等が新たな製品等を製造等することにより、主たる業種を変更することなく、主たる事業を変更すること。
業種転換:中小企業等が新たな製品を製造することにより、主たる業種を変更すること。
業態転換:製品等の製造方法等を相当程度変更すること。
事業再編:会社法上の組織再編行為(合併、会社分割、株式交換、株式移転、事業譲渡)等を行い、新たな事業形態のもとに、新分野展開、事業転換、業種転換又は業態転換のいずれかを行うこと。
事業再構築補助金の主要な申請要件
売上が減っている
2020年10月以降の連続する6か月間のうち、任意の3か月の合計売上高が、コロナ以前(2019年又は2020年1~3月)の同3か月の合計売上高と比較して10%以上減少していること。
事業再構築に取り組む
事業再構築指針に沿った新分野展開、業態転換、事業・業種転換等を行うこと。
認定経営革新等支援機関と事業計画を策定する
事業再構築に係る事業計画を認定経営革新等支援機関と策定すること。
緊急事態宣言特別枠
緊急事態宣言特別枠とは令和3年の緊急事態宣言により深刻な影響を受けた中小企業等については、さらに補助率の高い「緊急事態宣言特別枠」があります。この「特別枠」は、優先的に審査がされます。
特別枠対象となる事業者は通常枠の申請要件を満たし、かつ、緊急事態宣言に伴う飲食店の時短営業や不要不急の外出・移動の自粛等により影響を受けたことにより、令和3年1〜6月のいずれかの月の売上高が対前年または前々年の同月比で30%以上減少している事業者です。
補助対象経費
補助対象経費の例
●建物費(建物の建築・改修、建物の撤去、賃貸物件等の原状回復)
●機械装置・システム構築費(設備、専用ソフトの購入やリース等)、クラウドサービス利用費、運搬費
●技術導入費(知的財産権導入に要する経費)、知的財産権等関連経費
●外注費(製品開発に要する加工、設計等)、専門家経費 ※応募申請時の事業計画の作成に要する経費は補助対象外。
●広告宣伝費・販売促進費(広告作成、媒体掲載、展示会出展等)
●研修費(教育訓練費、講座受講等)
(1)補助対象経費の例
(2)補助対象外の経費の例
●補助対象企業の従業員の人件費、従業員の旅
補助対象「外」経費の例
●補助対象企業の従業員の人件費、従業員の旅費
●不動産、株式、公道を走る車両、汎用品(パソコン、スマートフォン、家具等)の購入費
●フランチャイズ加盟料、販売する商品の原材料費、消耗品費、光熱水費、通信費
事業計画の策定のポイント
●補助金の審査は、事業計画を基に行われます。採択されるためには、合理的で説得力のある事業計画を策定することが必要です。
●事業計画は、認定経営革新等支援機関と相談しつつ策定してください。認定経営革新等支援機関には、事業実施段階でのアドバイスやフォローアップも期待されています。
策定ポイントの例
●現在の企業の事業、強み・弱み、機会・脅威、事業環境、事業再構築の必要性
●事業再構築の具体的内容(提供する製品・サービス、導入する設備、工事等)
●事業再構築の市場の状況、自社の優位性、価格設定、課題やリスクとその解決法
●実施体制、スケジュール、資金調達計画、収益計画(付加価値増加を含む)
具体的な審査項目は、公募要領に掲載されています。事業実施体制・財務の妥当性、市場ニーズの検証、課題解決の妥当性、費用対効果、再構築の必要性、イノベーションへの貢献、経済成長への貢献などが審査項目となっています
こちらは経済産業省の「事業再構築補助金の概要」、「事業計画に含めるべきポイントの例」としてに記載されています。
審査の項目
審査項目は、「補助対象事業としての適格性」「事業化点」「再構築点」「政策点」の4点があります。
適格性
「補助対象事業としての適格性」は、公募要領に次のように記載されています。
「4.補助対象事業の要件」を満たすか。補助事業終了後3~5年計画で「付加価値額」年率平均3.0%((【グローバル V 字回復枠】については 5.0%))以上の増加等を達成する取組みであるか。
付加価値額が年率平均3.0%(【グローバルV字回復枠】は5.0%)以上増加する計画なのかが審査のポイントとなります。
事業化点
「事業化点」は、公募要領に次のように記載されています。
① 本事業の目的に沿った事業実施のための体制(人材、事務処理能力等)や最近の財務状況等から、補助事業を適切に遂行できると期待できるか。また、金融機関等からの十分な資金の調達が見込めるか。
② 事業化に向けて、競合他社の動向を把握すること等を通じて市場ニーズを考慮するとともに、補助事業の成果の事業化が寄与するユーザー、マーケット及び市場規模が明確か。市場ニーズの有無を検証できているか。
③ 補助事業の成果が価格的・性能的に優位性や収益性を有し、かつ、事業化に至るまでの遂行方法及びスケジュールが妥当か。補助事業の課題が明確になっており、その課題の解決方法が明確かつ妥当か。
④ 補助事業として費用対効果(補助金の投入額に対して増額が想定される付加価値額の規模、生産性の向上、その実現性等)が高いか。その際、現在の自社の人材、技術・ノウハウ等の強みを活用することや既存事業とのシナジー効果が期待されること等により、効果的な取組となっているか。
ここでは申請を行った事業計画が実現できるか、または事業としてやっていけるかが 審査のポイントとなります。
再構築点
「再構築点」は、公募要領に次のように記載されています。
① 事業再構築指針に沿った取組みであるか。また、全く異なる業種への転換など、リスクの高い、思い切った大胆な事業の再構築を行うものであるか。
② 既存事業における売上の減少が著しいなど、新型コロナウイルスの影響で深刻な被害が生じており、事業再構築を行う必要性や緊要性が高いか。
③ 市場ニーズや自社の強みを踏まえ、「選択と集中」を戦略的に組み合わせ、リソースの最適化を図る取組であるか。
④ 先端的なデジタル技術の活用、新しいビジネスモデルの構築等を通じて、地域のイノベーションに貢献し得る事業か。
ここでは事業者の取組みが「事業再構築」の趣旨に合っているかが 審査のポイントとなります。
政策点
「政策点」は、公募要領に次のように記載されています。
① 先端的なデジタル技術の活用、低炭素技術の活用、経済社会にとって特に重要な技術の活用等を通じて、我が国の経済成長を牽引し得るか。
② 新型コロナウイルスが事業環境に与える影響を乗り越えて V 字回復を達成するために有効な投資内容となっているか。
③ ニッチ分野において、適切なマーケティング、独自性の高い製品・サービス開発、厳格な品質管理などにより差別化を行い、グローバル市場でもトップの地位を築く潜在性を有しているか。
④ 地域の特性を活かして高い付加価値を創出し、地域の事業者等に対する経済的波及効果を及ぼすことにより雇用の創出や地域の経済成長を牽引する事業となることが期待できるか。
⑤ 異なるサービスを提供する事業者が共通のプラットフォームを構築してサービスを提供するような場合など、単独では解決が難しい課題について複数の事業者が連携して取組むことにより、高い生産性向上が期待できるか。また、異なる強みを持つ複数の企業等(大学等を含む)が共同体を構成して製品開発を行うなど、経済的波及効果が期待できるか。
ここでは政府の推奨する項目を満たしているかが審査のポイントとなります。
加点項目
公募要領によりますと令和3年の国による緊急事態宣言の影響を受けた事業者に対する加点があります。次のように記載されています。
① 令和3年の国による緊急事態宣言に伴う飲食店の時短営業や不要不急の外出・移動の自粛等により影響を受けたことにより、2021 年 1 月~6 月のいずれかの月の売上高が対前年(又は対前々年)同月比で 30%以上減少していること。
② 上記①の条件を満たした上で、2021 年 1 月~6 月のいずれかの月の固定費(家賃+人件費+光熱費等の固定契約料)が同期間に受給した協力金の額を上回ること。
③ データに基づく政策効果検証・事業改善を進める観点から、経済産業省が行う EBPMの取組に対して、採否に関わらず、継続的な情報提供が見込まれるものであるか。
第1回の事業再構築補助金採択結果
公募では第一回の採択結果が次のように公表されています。
データから見ると応募件数の22,231件に対して三割以上の8,016件が採択されています。
今後のスケジュール(第2回以降)
- 第2回公募については、公募開始は5月20日、申請受付開始は5月26日、応募締切は7月2日です。
- 申請は全て電子申請となりますので、「GビズIDプライムアカウント」が必要です。
- 申請を考えておられる事業者は、事業計画の策定等の準備を進めることが可能です。
申請に向けた準備
電子申請の準備
申請はjGrants(電子申請システム)での受付を予定していますので、GビズIDプライムアカウントはHPで取得してください。
事業計画の策定準備
事業計画の策定には時間がかかりますので、早いうちに現在の企業の強み弱み分析、新しい事業の市場分析、優位性の確保に向けた課題設定及び解決方法、実施体制、資金計画などを検討などをお勧めします。
留意点
内容が異なる別の事業であれば、同じ事業者が異なる補助金を受けることは可能です。ただし、同一事業で複数の国の補助金を受けることはできません。複数回、事業再構築補助金を受けることはできません。
不正、不当な行為があった場合は、補助金返還事由となります。不正があった場合は、法令に基づく罰則が適用される可能性がありますので、十分ご注意ください。
注意事項
事業者自身で申請
事業計画は、認定経営革新等支援機関と作成することとなります。ただし、補助金の申請は、事業者自身が行っていただく必要があります。申請者は、事業計画の作成及び実行に責任を持つ必要があります。
重複案件への注意
第1回公募で採択を発表した案件の中に、重複案件と思われる事業が発見されました。他の法人・事業者と同一又は酷似した内容の事業を故意又は重過失により申請した場合、次回以降の公募への申請ができなくなります。十分ご注意ください。
またはフランチャイズ加盟に伴う加盟金などには補助金を使うこともできませんのでご注意ください。
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