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知らないと損する?予定納税の仕組みと減額申請
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予定納税の仕組み
個人事業主の方に、ぜひ知っておいてもらいたいものの1つとして「予定納税」があります。そもそも、予定納税がどんなものなのかと言うと、予定納税基準額が15万円を超える場合、所得税の一部を前もって納税する制度のことを言います。後ほど後述しますが、個人事業主で前年度の確定申告により所得税を15万円超を支払っている方の多くは、予定納税の対象となります。
予定納税の金額がいくらになるかは、所得に応じて人それぞれ異なります。また、予定納税は1年に2回にわけて納付を行います。納税時期は、第1期「7月1日~31日」と第2期「11月1日~30日」ですので忘れずに支払いましょう。
予定納税の支払い方法
自動車税などと同様、予定納税も国から納付通知が届きます。予定納税額の通知時期は、その年の6月15日となり、納付書が届き次第、納付期間内に収めなければなりません。
予定納税の支払い方法は、直接納付を行っている人が多いのですが、振替納付なら一度支払い口座を指定しておけば、面倒な手続きが不要なのでとても便利です。
支払わないとどうなる?
支払い通知を無視して納税を怠ってしまうと、たとえ予定納税でも“延滞税”が発生します。
・延滞税の算出方法
延滞期間が2ヵ月未満の場合の計算方法
下記2つのどちらか、“額の低い方”に該当します。
・年7.3%
・年「特例基準割合+1%」
延滞期間が2ヵ月以上の場合の計算方法
下記2つのどちらか、“額の低い方”に該当します。
・年14.6%
・年「特例基準割合+7.3%」
これらの計算式で算出された延滞税がプラスされるため、延滞すればするほど納税額が高くなってしまいます。
予定納税の支払いを延滞してすぐに催促がこなかったとしても、許されることはありません。予定納税で支払った分は、翌年3月に行う確定申告の際に差し引かれ、残りの所得税を支払うようになりますので、予定納税をしていないとすぐにわかり、本税とは別に、追って延滞期間の延滞税等税務署から通知が来ます。
予定納税を怠ってもリスクしかないので、忘れずにしっかり納めるようにしましょう。
予定納税の減額申請とやり方
予定納税は、前年の所得をもとに算出されます。しかし、その年の6月末時点で、ある一定の理由で納税額が少なくなることが予測できる場合は、予定納税の「減額申請」を行うことができます。
減額申請を行う例としては、以下のようなものがあります。
(減額申請の対象例)
・廃業や休業
・災害や盗難
・業績悪化や経営悪化
・病気による医療費の増加※その他の対象は、国税庁のHPにてご確認ください。
予定納税は、あくまでも“予定”に過ぎないため、納税額が確定しているわけではありません。予定納税で支払わなければならない税金が、経営を行っていく中で納付が困難な状況になった場合は、無理をせずに減額申請を利用しましょう。
減額申請の流れ
減額申請を行う場合は、まず“減額申請書”を提出しなければなりません。減額申請書の提出期限は、どの期間に減額申請を希望するかによって異なります。
減額申請書の提出期限は以下の通りです。
第1期、2期ともに減額申請を行う場合 その年の7月15日まで
第2期のみ減額申請を行う場合 その年の11月15日まで
※期限が土曜日、日曜日、祝日のいずれかに該当している場合は、その翌日が期限となります。
減額申請書は、所轄の税務署へ提出しましょう。
直接足を運んでも良いですし、郵送での提出も可能です。
減額申請をしなくても、還付申告を受けられる
経営が悪化しても、減額申請をせずに予定納税をきっちり支払ってきた方もいることでしょう。ですが、払いすぎた分はきちんと還付を受けられるので、損をすることはありません。払いすぎた税金は、“還付加算金”として、利息がついて払い戻しされます。
万が一、経営状況の変化などで、予定納税額が見合っていないということが分かっていたとしても、資金に余裕があるのではあれば、減額申請はせずに一旦支払っておいても問題ありません。
・還付加算金の算出方法
下記2つのどちらか、“額の低い方”に該当します。
・年7.3%
・年「特例基準割合+1%」
こちらを見ていただけるとわかる通り、延滞期間が2ヵ月未満の場合の延滞税と同じ金額になります。どちらか低い方という算出の仕方にはなりますが、還付加算金の利息はほぼ2.8%程度です。2.8%から大幅に率が変動することはほとんどないので、2.8%と思っておいて良いでしょう。
還付加算金は金利が高く、損はしない仕組みとなっているので、減額申請が面倒であれば、そのまま支払っておいて還付加算金を受け取るという手段も得策であると言えます。
平成29年度確定申告は所得が大きい人が多い。→減額申請の検討を!
株高
平成29年度末には、27年ぶりに株価が高値水準となり、平成28年度と比較して2年連続で前年度末の水準を上回る状況でした。
好景気を背景とした受注増により、個人事業主の中でも、特に平成29年度は所得の大きかった人が例年より多い傾向がみられます。
不動産の値上がり
2020年に開催される東京オリンピックに向けて、2年連続で地価が上昇しています。特に、日本の三大都市とされている、東京・大阪・名古屋の3都市に加え、仙台・福岡・広島の地方都市でも、交通の利便性や開発が進み、4年連続で地価が高騰傾向にあります。
参考:2018年土地の公示価格
土地の価格が高くなれば、その分不動産の価値も上がり、不動産収入を得ている方の不動産所得が増加傾向にあります。
平成30年度の状況が平成29年度と比べると減少傾向にあるなという場合には、予定納税の減免申請を
なお、予定納税の対象となる所得は、以下のとおり規定されています。
予定納税基準額(特別農業所得者以外)は、次の(1)又は(2)のようになります。
(1) 次のいずれにも該当する人は、その人の前年分の申告納税額がそのまま予定納税基準額となります。
1.イ 前年分の所得金額のうちに、山林所得、職所得等の分離課税の所得(分離課税の上場株式等の配当所得等を除きます。)及び ①譲渡所得、一時所得、雑所得、平均課税を受けた臨時所得の金額(以下「除外所得の金額」といいます。)がないこと。
2.ロ 前年分の所得税について災害減免法の規定の適用を受けていないこと。(2) 上記(1)に該当しない人は、前年分の課税総所得金額及び分離課税の上場株式等に係る課税配当所得等の金額に係る所得税額 ②(除外所得の金額がある場合には、除外所得の金額がなかったものとみなして計算した金額とします。また、災害減免法の規定の適用を受けている場合には、その適用がなかったものとして計算した金額とします。)から源泉徴収税額(除外所得の金額に係るものを除きます。)を控除して計算した金額及び当該金額の復興特別所得税額の合計額が予定納税基準額となります。
上記(1)又は(2)の予定納税基準額が15万円以上になる人は、予定納税が必要になります。予定納税額は、所轄の税務署長からその年の6月15日までに、書面で通知されます。
(所法104から114、復興財確法16、措法8の4、措令4の2、通法10、通令2)
なおこの規定によると、仮想通貨による所得は原則として雑所得で申告しますから、予定納税の対象にはなりません。
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